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なぜ“忍者FW”町野修斗がDF中山雄太の代役に? あの中田英寿以来24年ぶり…「サプライズ選出の一報に湘南のクラブハウスが沸いた」 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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posted2022/11/10 17:01

なぜ“忍者FW”町野修斗がDF中山雄太の代役に? あの中田英寿以来24年ぶり…「サプライズ選出の一報に湘南のクラブハウスが沸いた」<Number Web> photograph by AFLO SPORT

忍者の里・三重県伊賀市出身の町野修斗がゴールを決めたあとに見せる「忍者ポーズ」。追加招集で臨むカタールW杯の大舞台でも披露できるか

「W杯は夢の舞台」と繰り返し、「僕はストライカーなのでゴールを期待されていると思いますし、守備や走る部分もしっかり湘南でやってきたことを期待されていると思うので、いつもどおりに頑張りたい」と真っすぐな思いを明かした。

なぜDFではなくFWを追加招集したのか

 それにしても、中山雄太に代わる招集が、なぜ町野だったのだろうか。中山と同じDFではなく、なぜFWが選ばれたのか。

 いくつかの理由が考えられる。

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 11月1日の時点で、DFは9人選ばれていた。中山が主戦場とする左SBには、長友佑都と伊藤洋輝がいる。そもそも人数に不足はない。3バックを敷くなら、伊藤を当てはめればいい。

 森保監督のもとで左CBを定位置とする冨安健洋も、左SBに適応する。所属するアーセナルではウクライナ代表ジンチェンコ、スコットランド代表ティアニーとの競争で、指揮官ミケル・アルテタから左SBとしての信頼を得ている。中山の離脱が致命傷になることはない、と言える。

 その一方で、FWは浅野拓磨、前田大然、上田綺世の3人である。こちらも不足はないが、選択肢は多いほうがいい。パワープレーやセットプレーを考えると、高さのある選手を上田に加えてもうひとり用意したい。185センチの町野は、条件に合致する。

 戦術的な狙いもありそうだ。7月のE-1選手権で4-2-3-1の1トップを務め、9月のアメリカ戦でも同じポジションで起用されたが、ベルマーレでは3-4-1-2の2トップの一角が定位置だ。そして、森保一監督は9月のエクアドル戦で2トップをテストしている。カタールW杯で複数のシステムを使い分けることになっても、町野ならスムーズに対応できるはずだ。

 カタールW杯の日本代表とベルマーレの戦いぶりに、重なり合うところもある。ドイツやスペインと対峙する日本は、主導権を握るよりも握られる時間が長くなる。J1リーグにおけるベルマーレも、しっかりとした守備から攻撃を仕掛けるスタンスの試合が多い。前線から相手守備陣に規制をかけ、そのうえで攻撃に飛び出していくいつものプレースタイルを持ち込むことが、そのままチーム戦術を遂行することにつながるのだ。

 さらに言えば、浅野の回復具合が気になる。

 所属するボーフムでは9月中旬から欠場が続いており、ブンデスリーガはW杯まで1試合を残すのみとなっている。12日開催のアウクスブルク戦で復帰を果たし、17日のカナダとのテストマッチに出場したとしても、ゲーム体力やゲーム感覚には不安が残る。ケガの再発にも気をつけなければならない。

【次ページ】 「すべてを変えないと」町野修斗が覚悟を決めた日

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