サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
なぜ“忍者FW”町野修斗がDF中山雄太の代役に? あの中田英寿以来24年ぶり…「サプライズ選出の一報に湘南のクラブハウスが沸いた」
posted2022/11/10 17:01
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
AFLO SPORT
サプライズ選出でカタールに乗り込む男は、笑顔とユーモアいっぱいにW杯への決意を語った。湘南ベルマーレの町野修斗が、カタール出発当日の9日に記者会見に臨んだのである。
ベルマーレ所属の選手がW杯のメンバー入りを果たすのは、1998年以来となる。中田英寿氏、小島伸幸氏、呂比須ワグナー氏が日本代表として、洪明甫氏が韓国代表として、フランスで行なわれた祭典の当事者となった。
広報も大喜び「所属選手が選ばれるのは格別です」
ベルマーレでプロキャリアをスタートさせた中田氏は、ヨーロッパ移籍後の02年と06年もメンバー入りした。06年はアカデミー出身の茂庭照幸が、FC東京所属で選出された。前回のロシアW杯では、やはりアカデミー出身の遠藤航が浦和レッズの一員として23人に名を連ねた。
遠藤は今回も選出されている。ベルマーレでプロ入りした山根視来も、川崎フロンターレの主力としてカタールへ向かう。
「カタールへ行く我々のファン・サポーターは、航と視来を観に行くと言っていたんですね。そこに、町野が入ってくれた。我々のクラブから選ばれるのは98年以来なので、誰もが喜んでいると思います」
こう語るのは、ベルマーレの眞壁潔代表取締役会長だ。11月8日に町野の追加招集が発表されると、クラブハウスには歓声が沸き上がった。スタッフの思いを、遠藤さちえ広報が代弁する。
「遠藤選手や山根選手の選考ももちろん嬉しいですけれど、所属選手が選ばれるのはやっぱり格別です」
11月1日のメンバー発表では選考外となった町野だが、直後のJ1リーグ最終節でシーズン13ゴール目をゲットし、日本人最多得点を記録した。
チームに日々帯同する遠藤広報が話す。
「1日の時点で代表に選ばれず、本人もすごく悔しかったと思うんです。それでも、最終戦に取り組む姿勢が素晴らしくて、実際に得点も決めた。スタッフみんなが彼の人柄を知っているし、彼の努力を見てきているので、それが報われたのも嬉しいですね。ホントにみんなが応援したくなるような選手なんです」
記者会見ではゴールパフォーマンスの「忍者ポーズ」について、何人もの記者から質問を受けた。町野はその一つひとつに丁寧に答え、見出しになるような答えを提供していった。「忍者を代表して頑張ります」といったコメントは、“獲れ高”として申し分のないものだった。
そのうえで、W杯への決意や覚悟をしっかりと口にしている。