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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「攻撃の“設計図”を共有しきれていないのでは」中村憲剛が指摘する森保ジャパンの修正点「鎌田、久保らのインサイドハーフ起用は…」
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph byKiichi Matsumoto/JMPA
posted2022/06/21 17:02
0対3で完敗を喫したチュニジア戦後、ピッチで雨に打たれながら厳しい表情を見せる森保一監督
フィニッシャーは誰で、その選手にどうやってパスを送るかという設計図を考えた時に、現状では伊東のクロスと三笘のえぐりというサイドの武器に行き着きます。中央からのコンビネーションは、やろうとしていたけれどそこまでの実効性は持てませんでした。
もちろん、色々な攻め筋から複数の選手がゴールを取る戦い方でも良いと思います。相手も分析をしにくいですし、狙いを絞りきれないかもしれません。起用する選手含めて、ここから「いかに得点を取るか」の手段を詰めていくことになると思います。
本番前に修正点が出るのは、決して悪いことではない
次の活動は9月の2試合で、その次はW杯本大会です。時間の重みがのしかかってきていますが、テストマッチを通して課題が浮き彫りに、とくにチュニジア戦で相手監督が「分析どおりだ」とコメントしていたように、うまくいかなかったことが出たことは前向きにとらえられます。
僕自身の経験から言えば、プレシーズンでうまくいくことが多すぎると、問題の本質がぼやけてしまいがちになります。本番の前に修正点が出るのは、決して悪いことではありません。
仕上げの段階で必要なことをあげれば、選手の特性をしっかりと生かすことでしょうか。今回の4試合では鎌田大地と原口元気がインサイドハーフとして評価され、柴崎岳もそつなくこなしました。久保建英は代表初得点を記録しています。
では、インサイドハーフこそが彼らの適正ポジションなのか。この4試合を見るかぎりでは、そう考えるだけの根拠が少ないかな、というのが率直な感想です。
日本には素晴らしいタレントが揃っています。選手一人ひとりがピッチ上で躍動し、森保監督が言う「連携、連動」するためにも、彼らの特性が生きる配置を探っていくべきだと思います。
それは、システムなのか。システムに問題はなく、誰をどこに配置するかを再考するべきなのか。9月シリーズでは選手一人ひとりの個性が発揮されるような微調整がより求められるでしょうから、今回の4試合で起きた現象をしっかりと整理して臨んで欲しいと思います。<前編から続く>
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。