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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「攻撃の“設計図”を共有しきれていないのでは」中村憲剛が指摘する森保ジャパンの修正点「鎌田、久保らのインサイドハーフ起用は…」
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph byKiichi Matsumoto/JMPA
posted2022/06/21 17:02
0対3で完敗を喫したチュニジア戦後、ピッチで雨に打たれながら厳しい表情を見せる森保一監督
僕が出場した10年の南アフリカW杯は、グループステージ3試合のスタメンが同じでした。大会直前にシステム含めた戦い方が変わったことによる影響も大きかったと思いますが、4試合目となったパラグアイとのラウンド16では先発メンバーの動きが重いなと、ベンチから見ていて感じました。カメルーンとの初戦から力を出し惜しみせずにフルで戦ってきただけに、これはもう避けられなかったと思います。
グループステージで疲弊するのは、どの国も共通することでしょう。ただ、2連勝すれば最終戦をうまく使って疲労をコントロールできます。余裕を持ってベスト16入りするチームも出てくるわけで、日本のグループEを待ち受けるグループFのクロアチアやベルギーは、ある程度余力を残して勝ち上がってくるとも考えられます。
チュニジア戦は4連戦の4試合目でした。W杯に当てはめると、ノックアウトステージの1試合目になります。チュニジアは2試合目で、日本は4試合目なので、疲労度に違いはありますが、前述したようにW杯でもコンディションに差がある状態で戦うことも考えられます。
体力を温存しながら5バックで守り切るプランも?
もうひとつ気になるのは、スカウティングです。W杯で対戦する相手は、日本を徹底的に分析してくるでしょう。チュニジアよりもさらにレベルが上の相手が、日本を丸裸にしてくるわけです。
興味深いなと思ったのは、ガーナ戦の最終盤です。森保監督は右SBの山根視来に代えて中山を投入し、4バックから3バックに変更しました。守備の局面では5バックになりました。
連戦に加えてカタールの気候を考えると、前線からプレスをかける試合を続けられるのか。そのあたりも考えて、リードを奪ったら5-4-1で守り、体力を温存しながら勝ち切る。連戦を乗り切っていくマネジメントをする。森保監督はそういった戦略も視野に入れているのかもしれません。