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「サッカーにまったく興味のない人がこんなに…」中村憲剛が衝撃を受けた“学生たちのナマの声” 「無関心層」を取り込むカギはどこにある?
posted2022/06/19 11:01
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
JFA
SDGsと呼ばれる持続可能な開発目標は、サッカー界にとっても身近なものだ。日本サッカー協会では、「アスパス!」の名のもと、SDGsの取り組みやサッカーを通じた社会貢献活動を展開している。SDGsで掲げられている17の目標から環境、人権、健康、教育、地域の5つを重点領域とし、各種施策を講じるものだ。
4月にはJFAと中央大学による「アスパス!協働プロジェクト」の、第1回ワークショップが開催されている。「教育」分野にスポットをあて、サッカーを題材とした学びの機会を創出することで、SDGsが意図する「技術的・職業的スキルなど、働きがいのある仕事や起業に関する能力を備えた人を増やす」ことを目指したものだ。
中央大学国際経営学部の木村剛教授と連携した第1回ワークショップには、元日本代表で同大学OBの中村憲剛さんが参加している。JFA Growth Strategist(JFAグロース・ストラテジスト)の肩書で日本サッカー協会のメンバーシップ制度改革にも取り組む中村さんは、プロジェクトリーダーとして母校の学生たちとともにサッカー界の課題解決に向き合っていく。
中村憲剛が学生とのディスカッションで受けた衝撃
約50名の学生が参加した第1回ワークショップでは、「サッカー低関心層に関心を持ってもらい、JFAアプリを知って、実際に使ってもらうには?」をテーマに、ディスカッションが繰り広げられた。
「学生たちと触れ合ってみて、サッカーを知らない人たちが本当に多いことに気づかされました。普段の僕は現役でプレーしている選手やクラブのスタッフ、サッカー協会やJリーグで働く皆さん、メディアの皆さんといった“サッカー畑の人たち”と話すことが圧倒的に多い。サッカーが好きな人たちで、サッカーを広げたいと思っている人たちばかりです。ところがその世界から一歩外に出た時に、サッカーにまったく興味のない人が、僕が思っている以上にたくさんいた。それがなにより衝撃でした」
サッカーに無関心な層が一定数いることは、中村さんも想定していた。しかし、「無関心層が想像以上に本当に無関心だった」ことに、驚きを禁じ得なかったという。