「失敗を恐れるな」チェイス・アンリ18歳に響くNBAレジェンドの名言…「U-21経由シュツットガルト」で遠藤航、伊藤洋輝に続け

　サッカーで“三拍子そろう”といえば、強い、速い、うまい。

　3つ目にはまだ疑問符がつくが、“うまくなっている”のは間違いない。U-21日本代表のセンターバック、18歳のチェイス・アンリのことだ。

　しかも、ただうまくなっているのではない。急速にうまくなっているのだ。ウズベキスタンで行われたU23アジアカップの約3週間の大会期間にも――。

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　6月3日に行われたU-23UAE代表とのグループステージ第1戦。鈴木唯人のゴールで先制したものの、その直後、チェイスの連係ミス、クリアミスから同点に追いつかれた。

　さらに相手のクロスがチェイスの腕に当たってPKを取られる絶体絶命のピンチ。これをGK鈴木彩艶がセーブして事なきを得ると、細谷真大が勝ち越しゴールを決めてチームは白星を掴んだが、チェイスのプレーは攻撃面も含め、及第点とは言い難かった。

「（失点場面は）彩艶の声を勘違いしちゃって、人任せでいいと思って（ボールを）流してしまった。でも、自分の準備不足もあったと思います。ビルドアップも難しいです。前よりは成長したと思っていたんですけど……。高校サッカーと違って、FWを抜くことができないし、ワンタッチ、ツータッチで捌いていかないと取られちゃうんで。ほんと難しいです」

　恵まれたフィジカルと対人能力の高さで注目される若きセンターバックは、そう言って気持ちを切り替えることを誓った。

シュツットガルトと契約したばかりだったが

　チェイスのパフォーマンスが芳しくなかったのには事情がある。

　この3月までは尚志高校の学生で、4月8日に遠藤航や伊藤洋輝が所属するドイツのシュツットガルトとプロ契約を結んだばかり。4月半ばに渡独して約1カ月、来季からの主戦場となるセカンドチームで練習したものの、公式戦は3月末のドバイカップのサウジアラビア戦にU-21日本代表の一員として出場したのが最後だったのだ。

　もっとも、大岩剛監督はすべて承知のうえで、チェイスをピッチに送り出した。試合をこなさなければ、試合勘もコンディションも取り戻せない。逆にいえば、チェイスを主力としてこの先も使いたいからこその先発起用だった。

「彼は年齢的に経験が足りないところが出てしまったのかなと思う。彼自身が重要な経験を積んだと思うので、次の試合に活かしてほしいなと思う」

　そうした指揮官の期待に、チェイスは応えてみせる。

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