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森保Jは「三笘薫がいない左サイド」をどう機能させるのか? “勝利が絶対条件”のサウジ戦で見てみたい「中山雄太の先発起用」
posted2022/01/28 17:06
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Takuya Sugiyama/JMPA
結果は“予定どおり”である。
1月27日に行われたカタールW杯アジア最終予選で、日本は中国を2対0で下した。通算成績を5勝2敗の勝ち点15とし、勝ち点14のオーストラリアを抑えて2位をキープしている。
簡単な一戦ではなかった。中国は昨年11月の第6節後に監督が交代し、リー・シャオペン監督指揮下では初めての試合となる。相手の出方が読み切れなかった。
昨年11月以来の実戦でもあった。2カ月以上の空白期間があり、国内組はプレシーズンだ。ゲームフィーリングやゲーム体力は万全でない。
さらに言えば、キャプテンの吉田麻也と冨安健洋をケガで欠いていた。不動のCBコンビが不在だった。
安定した試合運びに寄与した中盤の3人
いくつかの懸念材料があるなかで、日本はしっかりと試合に入った。4-2-3-1でスタートしてきた相手に戸惑うこともなく、6分に伊東純也、7分に大迫勇也が際どいシュートを放つ。
13分には先制点を奪う。右サイドでテンポよくボールを回し、伊東のクロスがCBのハンドを誘う。大迫が右足でPKを決めた。背番号15の得点は、昨年9月の中国戦以来だ。
昨年10月のオーストラリア戦は、前半8分に先制した。同11月のベトナム戦では、17分に先行した。しかし、どちらの試合でも前半のうちに2点目を奪うことはできなかった。そもそも最終予選の日本は、ここまで消化した6試合で一度しか複数得点を記録していない。
「もう一回取りにいくぞ、いまのうちに!」
1対0とした数分後、大迫が声をあげた。果たして、19分には右CKをデザインして南野拓実が決定的なシュートを放つ。27分には大迫が、DFの股間を抜く一撃でGKを脅かす。
38分には決定的な場面を作る。右サイドの田中碧がゴール前の守田英正へパスを通すと、守田がワンタッチで南野へつなぐ。左サイドからゴール前へ侵入していた背番号10は、切り返しから右足でフィニッシュするが、シュートはDFにブロックされた。
得点機を作り出したのは評価できる。しかし、前半のうちに2点目を取り切れなかったのは、今回も課題として持ち越された。
1対0のまま試合は進んでいくが、試合運びは安定していた。選手たちは攻守に距離感良くプレーしていく。
その要因となったのがアンカーの遠藤航、右インサイドハーフの田中、左インサイドハーフの守田だ。3人は自在にポジションを変えながらビルドアップから崩しまでに効果的に関わり、ボールを失った直後の切り替わりにも登場する。ボールを失うことがほとんどないうえに、彼ら自身が即時奪回を実践していくから、その存在感は絶大だった。