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森保Jは「三笘薫がいない左サイド」をどう機能させるのか? “勝利が絶対条件”のサウジ戦で見てみたい「中山雄太の先発起用」
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byTakuya Sugiyama/JMPA
posted2022/01/28 17:06
中国戦の61分、中山雄太はピンポイントのクロスで伊東純也のゴールをアシスト。交代出場した直後に明確な結果を残した
この試合の日本は、もっと言えば最終予選の日本は、伊東の突破力を大きな強みとしている。昨年11月のオマーン戦では三笘薫が左サイドからの崩しを担ったが、今回はケガで招集できていない。
左ウイングの南野は、縦への突破より周囲との関わりで相手に脅威を与えるタイプだ。タッチライン際をアップダウンするのではなく、中央へポジションを取りながら周囲と連携していく。
そのうえで左サイドを機能させるには、サイドバックとインサイドハーフの立ち位置が重要になってくる。幅を取ったり縦への突破を意識したりしながら、相手守備陣を広げていくのだ。
南野をゴール前でプレーさせるためにも、左サイドバックはタッチライン際を上下動できるタイプがいい──長友を先発で起用するひとつの裏付けだが、中国戦では中山がアシストという結果を残した。最終予選でのパフォーマンスにも波がない。次のサウジアラビア戦では、スタートから使ってもいいだろう。
活かしたい「ホーム2連戦」のアドバンテージ
三笘の左ウイング起用に代わるオプションとして、森保監督は4-2-3-1の布陣を取った。73分に遠藤を下げて久保建英を投入し、2列目に伊東、久保、南野を並べた。
遠藤がベンチへ退いたのは、この試合で警告を受けると次の試合は出場停止になってしまうからだろう。4-3-3でも4-2-3-1でも、もはや彼を欠くことはできない。
久保の最終予選出場は、昨年9月上旬の中国戦以来だった。マジョルカで好調を印象づけているとはいえ、日本代表では4カ月以上の空白期間があった。伊東に代わって出場した堂安律も、昨年9月のオマーン戦以来の出場である。短い時間でインパクトを残すのは、難しい状況だった。
プラス材料はある。今回はホームの連戦だ。移動がない。中国戦の翌28日から31日まで、4日連続でトレーニングができる。久保をトップ下に置く4-2-3-1を含めて、オプションを磨く時間はこれまでよりも確保できる。
中国戦の勝利は譲れないノルマだった。サウジアラビア撃破こそが、今回の連戦の最大のターゲットである。3位のオーストラリアとは勝ち点1差なので、引き分けでも2位から滑り落ちてしまう可能性がある。勝利は絶対条件だ。
サウジアラビアを下すことができれば、3月のオーストラリア戦は引き分けも許容される。そう考えると、2月1日は紛れもない大一番だ。18年9月以降の積み重ねを、いまこそピッチ上で見せつけなければならない。
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