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中国に“わずか1点”の衝撃…「なぜ点が入らなかった?」「交代は最適解か?」森保ジャパンがすべき〈2つの改革〉
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJFA
posted2021/09/08 17:01
オマーン戦とは見違える姿を見せた日本代表。だが、精彩を欠いた中国を相手に奪ったのは「1点」だけだった
サウジアラビアとのアウェイゲームはもちろん、オーストラリアとのホームゲームも厳しい戦いが予想される。どちらのチームも、自分たちで主導権を握ろうとする。オマーンのように日本の良さを徹底的に消してくるとは考えにくい。中国のように超守備的なゲームプランで臨んでもこない。自分たちの良さを発揮しながら、日本の強みを消してくる。
それでもなお、日本は相手を上回ることができるのか。
中国戦には酒井宏樹と南野拓実が出場していなかった。それにしても、日本のメカニズムは分かりやすい。変化に乏しいのだ。
中国戦では久保が好パフォーマンスを披露した。トップ下でプレーした前半も、伊東の交代後に右サイドへスライドした後半も、彼を経由した攻撃は中国の脅威となっていた。時間帯に基づいた判断にも間違いがなく、最少得点差での逃げ切りを後押しした。日本代表デビュー直後のコパ・アメリカでのプレーを思い起こさせた。
〈10月の2連戦〉日本代表に必要な「2つの改革」
久保や古橋をスタメンで起用したように、今後も状態のいい選手を積極的に使っていくべきだ。そのうえで、戦術的なオプションを持ちたい。
10月の連戦も準備期間はない。オプションと言ってもぶっつけ本番になる。それでも、大迫を頂点とする4-2-3-1を封じられた際のプランBを、用意しておくべきだ。サイドバック過多となったバランスを是正し、2トップやパワープレーもできる陣容を揃えるのだ。
最終予選のスタートとなる9月の2試合が、経験と実績を重視した選考と選手起用になったのはある程度予想できるものだった。ここからは、思い切った登用を考えていい。前回の最終予選で采配をふるったヴァイッド・ハリルホジッチ監督も、リオ五輪世代を新たな武器に勝点を重ねていった。浅野拓磨、久保裕也、井手口陽介らが、勝利に直結するゴールをあげていった。
はっきりしているのは、日本の視界はまだ良好ではないということだ。現状維持のままで10月を迎えるのは、率直に言ってリスクが大きい。
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