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中国に“わずか1点”の衝撃…「なぜ点が入らなかった?」「交代は最適解か?」森保ジャパンがすべき〈2つの改革〉 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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posted2021/09/08 17:01

中国に“わずか1点”の衝撃…「なぜ点が入らなかった?」「交代は最適解か?」森保ジャパンがすべき〈2つの改革〉<Number Web> photograph by JFA

オマーン戦とは見違える姿を見せた日本代表。だが、精彩を欠いた中国を相手に奪ったのは「1点」だけだった

 後半開始早々に古橋亨梧が負傷交代したのは、攻撃の勢いを失う一因となった。オマーン戦(途中出場)と同じ2列目の左サイドをスタートポジションとしながら、この日は右サイドからシュートを放つ場面もあった。5バックの背後を取るランニングも、相手にストレスをもたらしている。代わって出場した原口元気が仕掛けよりつなぎを優先する姿勢だったこともあり、古橋の交代で攻撃の迫力が低下した。

 後半開始から15分以上は、決定機をつかめなかった。リスク管理をしながら2点目を狙うのが後半の基本スタンスだとしても、攻撃の矢印は小さくなってしまった。

 中国は60分過ぎに3人の選手を入れ替え、システムを4-4-2に代えてきた。相手の変更に対応する時間は必要だったが、決定機は73分まで待たなければならなかった。

交代2枚の判断は最適解だったのか?

 森保一監督が動いたのは76分だった。中国にはチャンスを許していなかったから、動きにくかったところはあるのだろう。ただ、もう少し早いタイミングでも良かったし、そもそも伊東を下げて鎌田大地を投入したのはベストだったのか。

 チームが停滞気味の後半に、伊東は守備のスイッチを入れていた。62分には敵陣でのパスカットから、久保に決定機を提供している。このラストパスはオフサイドとなったものの、伊東は疲労の色を感じさせていなかった。

 3度目の交代は、88分まで引っ張った。無所属で2試合に出場してきた長友佑都を下げ、佐々木翔を投入した。逃げ切りをはかるための交代なら、同じタイミングでオナイウ阿道を送り込みたかった。

 1対0で終わらせることが現実的となった時間帯で、大迫はボールを収めきれなくなってきた。前線からのチェイシングを考えてもフレッシュな選手を入れるべきで、追加招集したオナイウの起用は今後への布石になる。数分間の出場だとしても、最終予選の雰囲気を経験しておくのは価値を持つ。交代枠は残っていただけに、ここでもう一枚使うべきだった。

「中国に0-1」でライバル2カ国に勝てるか?

 黒星発進からの勝点3奪取ということもあり、チームが立ち直ったとの印象を与えるかもしれない。しかし、サウジアラビアとオーストラリアは2連勝で勝点6としている。出遅れたままなのは変わらない。「僕らは1敗もできない」と吉田が話しているように、ライバル2カ国と直接対決する10月は連勝がノルマとなる。

【次ページ】 〈10月の2連戦〉日本代表に必要な「2つの改革」

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