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低調オマーン戦から改善も…“中国が自滅した1-0”は「最低限の結果」 10月のサウジとオーストラリア戦こそ真の大一番〈W杯最終予選〉
posted2021/09/08 12:55
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
AFP/AFLO
初戦を落として後がない者同士の対戦は、本来の姿を取り戻そうとした日本に軍配が上がった。
9月7日にカタールのドーハで行われたカタールW杯アジア最終予選の第2戦。オマーンとの初戦を落とした日本は大迫勇也の決勝ゴールで中国を1-0で下し、待望の勝ち点3を手にするとともに、グループ4位(3位のオマーンと勝ち点、得失点差は同じ)に浮上した。
吉田「自分たちはサッカー人気や発展を背負っている」
目を覆いたくなるほど低調な出来に終始したオマーン戦から5日、チーム全体のインテンシティは高まり、ゴールに向かう姿勢、セカンドボールへの反応、パススピードや判断スピードは見違えるものがあった。
「(98年の)フランスW杯に出てからずっとW杯に出ていて、先輩たちが必死に戦って掴み取ってきた流れをこのチームで途切れさせるわけにはいかない。自分たちは目先のW杯だけじゃなく、サッカー人気や日本サッカーの発展など、いろんなものを背負っている。それは自分たちの1試合1試合の結果によって左右されるもので、代表戦の1試合はそれだけの重さがあるものだと思っています」
キャプテンの吉田麻也は中国戦の前日、メディアに対してこう語ったが、チームメイトに対しても「似たようなことを話した」という。
「改めて、なぜこの最終予選が大切なのかということを、もう一度確認しなければいけなかった。本来は1試合目の前にすべきだったので、僕のミスを認めざるを得ないですが、カタールに来て、そこを再確認しました」
その思いがチーム全体に浸透したことは、ピッチ上のパフォーマンスから確かに伝わってきた。殊勲の大迫も振り返る。