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トルシエがダバディに明かす日韓W杯トルコ戦の真実。「私の采配ミス」とは?

posted2020/09/07 11:30

 
トルシエがダバディに明かす日韓W杯トルコ戦の真実。「私の采配ミス」とは?<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

三都主がスタメン起用され、3-4-2-1システムで臨んだトルコ戦。トルシエ監督率いる日本は宮城の地で涙をのんだ。

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フローラン・ダバディ

フローラン・ダバディFlorent Dabadie

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「ところでフィリップ、あれ以来、トルコ戦は観ましたか」

「ノン」

 およそ20年前の出来事について勇気を持って聞くと、フィリップ・トルシエは目を逸らし、顔を真っ赤にし、数秒間も黙ってしまいました。その古傷に触れると複雑な思いが蘇ったのでしょうか。

「私は初めてトルコ戦を観直しましたよ。日本代表はボールを支配しているし、終始トルコと五分五分でした。ナカタ(中田英寿)とオノ(小野伸二)はやはり上手で、本当に悔しいです」

 私は言葉を続けましたが赤鬼は反応しない。むしろさらに黙りこみました。

 ベトナムのU-19代表監督としてAFC U-19選手権2020に出発する前、ハノイの自宅からZoomで話してくれる約束でしたが、いきなり袋小路に入ってしまいました。

「試合を観る気持ちはないよ」

 私の質問がいけなかったのでしょうか。2つ目のセリフも、社交辞令で言った訳ではありません。DVDであの日韓大会のベスト16での敗退をフルタイムで観ましたが、記憶していたほどひどい試合ではありませんでした。

 失点は早すぎたけれど、アレックス(三都主アレサンドロ)のクロスバー直撃弾を含め、五分五分というより日本は押していました。西澤明訓だってシュートを枠に飛ばしているし、中田はいつも通り冷静に活躍していました。敗退の理由はスポーツ・ジャーナリストになって15年の私には未だに見えてこないのです。

 フィリップ・トルシエはメガネを触ると、少しずつ喋り始めました。

「試合を観る気持ちはないよ。今でも悔しいから」

 このテーマについて、およそ1時間は話を聞きたいと事前に知らせていましたが、それでも観られなかった様子です。しかし、彼の記憶は鮮やかでした。

【次ページ】 失点のシーンは私を筆頭に……。

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