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格下相手に「もっと得点できた」から脱出? 日本代表“全ポジションで熾烈なメンバー争い”が加速〈序列はどうなる?〉
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJMPA
posted2021/05/29 11:40
ミャンマー相手に10-0の快勝。圧倒的な安定感を見せたのは、遠藤航(左)と守田英正(右)によるダブルボランチだろう
遠藤航と守田英正のダブルボランチも、3月の2試合に続いてのコンビである。シュツットガルト所属の28歳とサンタ・クララ所属の26歳は、どちらも攻撃と守備にしっかりと関わり、プレーの強度も高い。ひとりが守備的でひとりが攻撃的、といった組み合わせではないのだ。日本の新たな強みと成り得るダブルボランチ、と言っていいだろう。
ミャンマー戦では橋本拳人が途中出場した。昨夏にロシア1部のロストフへ移籍したこの27歳も、Jリーグでプレーしていた当時より逞しさを増している。今回はケガで招集が見送られた柴崎を含めて、ボランチのポジション争いは一気にレベルが上がった。
冨安が欠場したセンターバックでは、彼と同じ東京五輪世代の板倉滉が先発した。後半からは吉田に代わって植田直通がピッチに立った。これから国内組が合流してくると、センターバックの競争も激しさを増す。
酒井宏樹と長友は、昨年11月以来の出場だった。右サイドバックにはミャンマー戦に途中出場した室屋成、3月の韓国戦でデビュー戦初得点の山根視来らが、次なるアピールの機会を待っている。長友を追いかけるのは佐々木翔、小川諒也で、室屋は左サイドにも適応できる。長くポジションを不動のものとしてきたふたりのベテランにも、ライバルが出現してきた。
GKは4人が争っている。権田が序列の最上位と見られているが、彼が不在だったミャンマー戦では川島永嗣が起用された。19年11月以来の出場となった38歳に加え、シュミット・ダニエルと中村航輔が引き続き6月シリーズに参加する。
6月の4試合は「テストに着手できる」環境に
2次予選突破を予定どおりに決めたことで、6月の4試合はテストに着手できる環境が整った。ミャンマー戦の後半途中から4-1-4-1のシステムを採用したが、3バックにも対応できる選手が揃っている。保有戦力を有効に活用しながら戦術の幅を広げるために、森保監督には思い切ったトライをしてほしいものだ。