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吉田麻也がOAに求められる理由…ロンドン五輪後に語った「あいつらが居座っている椅子、狙っちゃおうぜ」【史上初3度目の出場へ】

posted2021/05/21 17:01

 
吉田麻也がOAに求められる理由…ロンドン五輪後に語った「あいつらが居座っている椅子、狙っちゃおうぜ」【史上初3度目の出場へ】<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

6月の親善試合に臨むU-24代表メンバーに名を連ねた吉田麻也。五輪は北京、ロンドンと3度目の出場となる

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松本宣昭

松本宣昭Yoshiaki Matsumoto

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Takuya Sugiyama

 2012年8月10日の夜、ウェールズの首都カーディフにあるホテルの広間では、サッカーU-23日本代表による食事会が開かれていた。

 祝勝会ではなく、慰労会。

 数時間前、彼らはロンドン五輪男子サッカー3位決定戦で、宿敵・韓国に0-2で敗れた。選手・スタッフそれぞれがビールを口にしながら、手が届きかけたメダルを逃した悔しさを語り合っている。そんな光景を、キャプテン吉田麻也はぼんやり眺めていた。

「当時、(杉本)健勇だけが未成年だったから、1人だけジュースでね。僕も4年前の北京五輪のときは19歳だったから、ビール飲めなかったなぁって思い出したりして」

 最後に麻也! 締めの挨拶を。

 スタッフに促され、スピーチに立った。見た目は“かなり”オーバーエイジ。でも、実際の年齢は2~3歳しか違わない後輩たちに向かって、こう投げかけた。

「オリンピックは終わってしまったけど、この借りを返せるのは、もう一度みんなと一緒にプレーできるのは、A代表しかない。A代表にいる本田(圭佑)さんとか、長友(佑都)さんとか、内田(篤人)とかは、みんなオリンピックを経てA代表に来ている。みんなにもチャンスあるよ。あいつらが居座っている椅子、狙っちゃおうぜ。調子こいてんだよ、あいつら(笑)。だから、A代表に入ろうぜ。1人でも多くA代表に行って、活躍するしかないぞ」

史上初の“2度目”の選出

 あのカーディフの夜から9年後、再び吉田麻也が五輪のピッチに立つことが内定した。

 史上初の、2度目のオーバーエイジ枠選出。

 5月20日、6月の親善試合に臨むU-24代表メンバー発表会見で、森保一監督は吉田、酒井宏樹、遠藤航の3人をオーバーエイジに選んだ理由をこう語った。

「3人とも、絶対的な戦力としてプレーでチームに貢献できる。そして、若い選手にも良い影響を与えてくれると思います。プレー以外でも、オン・ザ・ピッチ、オフ・ザ・ピッチですべき行動を、背中で示してくれる。経験の浅い選手たちとコミュニケーションを取りながら、成長を促してくれる3人だと思います」

【次ページ】 長谷部ではなくロイ・キーン?

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