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世界総スペイン化の陰で本国に異変?
リーガからの人材流出が止まらない。 

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工藤拓

工藤拓Taku Kudo

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posted2013/08/06 10:30

世界総スペイン化の陰で本国に異変?リーガからの人材流出が止まらない。<Number Web> photograph by AFLO

6月のコンフェデ杯では、ウルグアイ戦で決勝ゴールを決めるなど活躍したソルダード。

 8月1日、ロベルト・ソルダードのトッテナム移籍が正式に発表された。

 移籍金はバレンシアが設定していた違約金満額の3000万ユーロ。そのうち1200万ユーロが即金で支払われ、今季のチャンピオンズリーグ出場権を逃したことで赤字が出たバレンシアの年間予算を補うことになるという。

 バルセロナ、レアル・マドリーを除くすべてのクラブが深刻な経営難に苦しんでいる現状、今夏もリーガ・エスパニョーラからは多くの優秀な選手達が経済力で勝る他国のクラブへと流出している。

 中でも目立つのはソルダードに加え、昨季得点ランキング3位の28得点を挙げたラダメル・ファルカオ(アトレティコ・マドリー→モナコ)、同25得点で自身2度目のスペイン人得点王となったアルバロ・ネグレド(セビージャ→マンチェスター・シティ)、ゴンサロ・イグアイン(レアル・マドリー→ナポリ)、フェルナンド・ジョレンテ(アスレティック・ビルバオ→ユベントス)、イアゴ・アスパス(セルタ→リバプール)ら、優秀なストライカーの国外移籍だ。

 今述べた6選手だけで、昨季挙げたゴール数の合計はリーグの総得点1091の10%を占める109得点に上る。これは攻撃的なフットボールを魅力としてきたリーガにとって大きな損失である。

かつては地元を離れることさえ嫌ったスペイン人。

 また昨季のサンティ・カソルラ、ミチュ、ハビエル・マルティネス、ボルハ・バレロらに続き、ヘスス・ナバス(セビージャ→マンチェスター・シティ)、ラウール・アルビオル(レアル・マドリー→ナポリ)、チアゴ・アルカンタラ(バルセロナ→バイエルン・ミュンヘン)、ホアキン・サンチェス(マラガ→フィオレンティーナ)ら、新旧のスペイン代表選手達が多数去ってしまったことも寂しい限りだ。

 他文化に対する知識や適応力に欠ける保守的な人間が多く、近年まで基礎的な英語すら話せる者がほとんどいなかったスペインでは、かつては母国どころか地元を離れることさえ嫌った選手も少なくなかった。

 20世紀に他国で名を上げたスペイン人と言えば、1960年代にインテルで活躍したルイス・スアレスくらいのもの。彼がいまだにスペイン唯一のバロンドール受賞者であることは、これまでスペイン人選手に対する国際的な評価を象徴する事実だと言われてきた。

【次ページ】 経済問題とともに、スペイン人監督の影響も。

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