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ネイマール&メッシの初共演は合格!?
今季バルサが復活する3つの理由。
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph byREUTERS/AFLO
posted2013/08/05 11:40
「メッシとの関係は最高だよ。毎日メッシと会話してるよ!」と順調にチームへ馴染んでいる様子を語っているネイマール。「扁桃腺の摘出手術で体重が落ちてしまったけど、少しずつコンディションも良くなっている」とコメントした。
ガンペール杯でバルセロナがサントスを8-0で破った翌日、スペインの地元紙には威勢のいい言葉が並んだ。
『純粋なるスペクタクル』(ムンド・デポルティーボ紙)
『輝かしいバルサがサントスを撃破』(マルカ紙)
ネイマールとヘラルド・マルティーノ新監督が加わった新生バルサはどのようなものになるのか――。
試合前には、ファンもメディアもそれを楽しみにしていた。しかしその点で、このガンペール杯はほとんど参考にならなかった。対戦相手のサントスがあまりにも酷い状態だったからだ。ブラジルでもこの結果は驚きとして受け止められた。試合後、サントスのホームスタジアムには『伝統をリスペクトせよ』、『恥知らず』といった落書きがかかれ、会長の辞任を要求する動きまで出たくらいだ。ブラジルのスポーツ紙『ランセ!』は『まるで(コンフェデレーションズカップの)タヒチのようだった』と、サントスを酷評している。
新生バルサが目指す、プレスへの回帰。
やや拍子抜けに終わったが、この試合でバルセロナについておぼろげながら見えてきたこともある。
まずはプレスへの回帰だ。ここ2シーズンのバルサは、明らかに前線からのプレスの強度が落ちていた。相手からボールを奪い返す位置は低くなり、それがプレー面で行き詰まりが見られた理由のひとつだ。
この日、アレクシス、メッシ、ペドロは高い位置から積極的にプレスを仕掛けていった。グアルディオラ時代初期の頃のように、相手の最終ラインに対しても詰めていく。タッチライン際に追いやられたサントスのディフェンダーが、仕方なく前方に蹴る場面も度々見られた。
マルティーノ監督自身、この試合で最も評価できるのは得点数でもネイマールでもなく、この激しいプレスだと話している。
「インテンシティ(激しさ)とプレスの連続。それが私が重視することだ。この試合でも私が一番気に入ったのはプレスだ。試合を通じて相手から素早くボールを奪い返すことができた」
この試合だけでなく、プレシーズンで指揮官が力を入れているのが激しいプレスである。彼は「バルサはかつてそれをやれていた。我々は取り戻すだけなんだ」と話し、試合後には前からのプレスで貢献したアレクシスを賞賛していた。
シャビも合宿中にプレスの重要性を延々と語っており、プレスをペップ時代初期のレベルに戻そうというのは、監督と選手の共通見解でもある。
失ったプレスを取り戻せ――。マルティーノ監督と選手たちは、そんな合い言葉のもとに新しいチーム作りに取り組んでいる。