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世界総スペイン化の陰で本国に異変?
リーガからの人材流出が止まらない。 

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工藤拓

工藤拓Taku Kudo

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posted2013/08/06 10:30

世界総スペイン化の陰で本国に異変?リーガからの人材流出が止まらない。<Number Web> photograph by AFLO

6月のコンフェデ杯では、ウルグアイ戦で決勝ゴールを決めるなど活躍したソルダード。

経済問題とともに、スペイン人監督の影響も。

 それが1990年代末頃からは国外のクラブで活躍するスペイン人が徐々に増え、昨季はその総数が212人にも上った。

 なぜスペイン人選手の国外流出が増えているのか。一番の理由が国内クラブの経済力の低下であることは間違いない。遅ればせながら、スペインにも国際化の波が届きはじめたという社会的背景の影響もあるだろう。

 ただ、より直接的な要因がある。スペイン人、もしくはリーガを経験した監督の国外進出である。

 世界各国どの国のリーグを見ても、外国からやってきた監督は必ずと言っていいほど母国から贔屓の選手を連れてくる。言葉や価値観が通じる同郷の選手がピッチにいれば、異なる文化や慣習を持つ外国のチームに自身の意図を浸透させる助けになるからだ。

 逆に選手としても、言葉や文化が異なる異国での挑戦に際し、同国人の監督がいることは大きなアドバンテージとなるし、移籍を決める上でも鍵となることが多い。

 しかし、これまでは国外で活躍するスペイン人監督がいなかった。監督は選手以上に語学力や異文化への適応力が求められる職業であり、先述した通り近年までスペインには才能はあっても国外進出を望むような人材がほとんどいなかったのである。

ベニテスが切り開いた世界への進出ルート。

 それだけに、'04年より6年間リバプールを率いたラファエル・ベニテスの存在は大きかった。

 ペペ・レイナ、シャビ・アロンソ、フェルナンド・トーレス、アルバロ・アルベロア、ルイス・ガルシアら多数のスペイン人選手を擁してチャンピオンズリーグやFAカップを制した「スパニッシュ・リバプール」の成功は、ヨーロッパにおけるスペイン人監督と選手への評価を高めただけでなく、多くのスペイン人監督や選手にプレミアリーグ挑戦への興味を抱かせるきっかけとなったからだ。

 時を同じくして、バルセロナとスペイン代表の美しく強いポゼッションスタイルがトレンドの主流となったことも、各国でスペイン人監督の需要が増す後押しとなった。その点について、ジェラール・デウロフェウ、ヘセ・ロドリゲスらユース世代の逸材を扱うヒネス・カルバハル代理人は先日言っていた。

「今やスペイン人選手に対する需要は世界中に及んでいる。誰もがスペイン代表のようにプレーすることを望んでいるからね」

【次ページ】 運営陣から選手までスペイン化を推し進めるマンC。

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