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藤浪晋太郎30歳に聞く「メジャー挑戦は正解だった?」アメリカで激変した“キャラ”、結婚願望まで「結婚はええぞ、って言う人はあまりいない(笑)」
posted2025/03/29 11:09

藤浪晋太郎30歳が明かした今
text by

中村計Kei Nakamura
photograph by
Takuya Sugiyama
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アメリカでカラオケ熱唱…同僚も驚いた
藤浪晋太郎は1年目の途中でトレードに出されたボルティモア・オリオールズ時代のこんなエピソードを実に嬉しそうに思い出す。
「ルーキーって、移動中のバスの中でカラオケを歌わされるんです。そのときにプロ野球選手になるまでの経緯とか、最初の契約金とか、初体験の話もしなきゃいけなくて。ボルティモアも新しいチームだったので、カラオケを歌えよ、って言われて。自分は英語が得意なわけじゃないので、みんな日本の歌を歌うと思っていたと思うんです。でも、指名されるのわかってたんで、郷ひろみさんの『ゴールドフィンガー99』って元は英語の歌なので、それを覚えていったんです。アーチーチー、アチーってやつです。そうしたら、大盛り上がりで。英語で歌うんかい、って。すごいノリのいい歌でもありましたし。リーグ優勝した日の夜、バーを貸し切ってお祝いをしたんですけど、そんときも『フジ、歌え』って言われて、また、その歌を歌いました」
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藤浪が英語の曲をノリノリで歌う姿は確かに想像しにくかったが、2時間のインタビューの中で、そういう藤浪がいることも何となくわかってきた。
同学年・大谷について「ぶっちゃけ…」
大谷のことについて触れるとき、同級生たちは見上げるか、やや無理をして同等と見なそうとするか、そのどちらかだったような気がする。だが、藤浪はそのどちらでもなかった。背丈がともに190cmを超えているということもあるのだろうか、まさに同じ目線で語っているように感じられた。
「そうですか? 遠いは遠いですよ。すごいなと思います。二度と出てこないんじゃないですか」
口ではそう言うものの、言葉ほどの感情がこもっているようには感じられない。