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「残念っすよ、やっぱり」アーセナル冨安健洋25歳、劇的ゴール…2時間後、現地記者に告白した“失望”。現地ファン19歳は「トミはお気に入りさ」
posted2024/05/23 18:00
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph by
Getty Images
試合終了のホイッスルが鳴ると、アーセナルの選手たちは一斉にうなだれた。
5月19日に行われたプレミアリーグ最終節のアーセナル対エバートン戦。首位マンチェスター・シティを追いかける2位のアーセナルは、逆転優勝を期して最終戦に臨んだ。
アーセナルが栄冠を掴むには、「自軍の勝利」+「マンチェスター・Cの引き分け以下の結果」が必要だった。アーセナルはエバートンを逆転の末に2−1で下したが、マンチェスター・Cがウェストハムを3−1で退け、勝ち点2差のままプレミアリーグの頂点に立った。アーセナルは追いつけず、2季連続の2位でシーズンを終えることになった。
試合直後、ピッチ上の選手たちはシティのスコアをベンチから伝えられていたのか、あるいは「マンCリード」をスマートフォンで逐一確認していたサポーターの雰囲気から察知していたのか、試合終了と同時にそろって下を向いた。ピッチに座り込んでしまうマルティン・ウーデゴールとガブリエウ・マルティネッリ。冨安も天を仰いでいた。あともう少しでトロフィーに手が届くところまで行ったが、20年ぶりのリーグ優勝はまたしても叶わなかった。
冨安の今季2ゴール目はこうして生まれた
運命の最終節で、冨安健洋はリーグ戦5試合連続の先発出場を果たした。ポジションは4−3−3の左サイドバック。チームを上昇気流に乗せる活躍を見せていた日本代表DFは、この日も攻守両面で躍動した。
特に輝いていたのが、チームのボール保持時の動きだ。アーセナルがボールを持つと、冨安は持ち場の左サイドから中盤中央に立ち位置を移す「偽SB」の役割をこなした。対戦相手のエバートンが自軍に引いて守備を固めてきたこともあり、この日の冨安は中央の位置でのプレーが目立った。
ある時は中盤から左足で素早くパスを供給したり、またある時はペナルティエリアまで侵入してシュートを打ったりと、攻撃面で存在感を示し続けた。前半6分にはファーサイドに飛び込み、デクラン・ライスのクロスボールからヘディングシュートを放った。シュートは枠を外れたが、その後もペナルティエリアに自ら飛び込むなど、攻撃姿勢を強めて相手ゴールを脅かした。
前半43分に生まれた冨安のゴールは、そんな積極的な姿勢の延長線上にあった。チャンスと見るとペナルティエリアにフリーで入り、司令塔マルティン・ウーデゴールのクロスに右足を合わせた。冨安の得点で、アーセナルは1−1の同点に。チームに勝利が必要なことから、冨安は派手なゴールセレブレーションを控えて素早く自陣に戻った。
「いや…」冨安が軽く否定したこと
今季2点目のゴールについて、25歳DFは次のように振り返った。