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「Jは“世界で一番おいしい”移籍市場」欧州サッカー界が熱視線…「川崎のユースに顔を出すよ」ゴミス、キューウェル監督にも本音直撃
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph byAFP/JIJI PRESS
posted2024/03/12 11:03
23年9月、4-1でドイツに大勝した際の日本代表スタメンの11人。国内外で“日本サッカーに触れる外国人”からの評価は確実に高まっている
「ここ2、30年ほどの間に、あなたたちは驚くほど素晴らしい選手たちを生み出してきた。複数の日本人選手が欧州でプレーする一方、日本のリーグも継続的にレベルが高まっている。今の代表チームも実にパワフルだ」
“イスタンブールの奇跡”と呼ばれる2005年チャンピオンズリーグ決勝を制したリバプールの一員だった彼は昨季、セルティックでポステコグルー監督のアシスタントコーチを務めていた。かつてはオーストラリア代表アタッカーとして日本代表のライバルであった彼だが――そこで共に働いた日本人選手について、次のように明かした。
「(前田)大然とはよく1対1で話したが、あれほど大きなポテンシャルを持つ選手が、まだまだ成長しようとする姿勢に感銘を受けた。おそらくここ(横浜FM)の選手たちも、同じではないかと思う。
またアンジェには、彼が日本で指導していた頃の話をよく聞いたよ。もし私が日本で監督をするなら、絶対に楽しめるはずだと彼は言った。なぜなら、常に成長を望むモチベーションの高い選手たちと共に仕事ができるからだ、と。それは監督にとって、なによりもワクワクすることだからね」
世界のJに対する熱視線は、過去になく高い
彼らの言葉はきっと、リップサービスではない。育成からアマチュア、そしてプロフェッショナルまで、この国のフットボールの取り組みは正しい軌跡を辿ってきたのだろう(なにかと芸能人に頼りがちなマスメディアはさておき)。だからこそ、世界中のクラブがJリーグに熱い視線を送るようになっているのだと思う。その温度は過去になく高い。
願わくば、日本人選手の移籍金がより適正な額に上昇し、それによってJリーグのクラブが潤い、一線級とは言わずとも、ファンがチケットを買ってでも生で観たいと思えるような外国籍選手がもっともっと増えるといい。それがまたリーグ全体を盛り上げることにつながるはずだ。
私たちの国のフットボールリーグ、そしてこのスポーツ全体に、そんな好循環が生まれることを願う。