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「Jは“世界で一番おいしい”移籍市場」欧州サッカー界が熱視線…「川崎のユースに顔を出すよ」ゴミス、キューウェル監督にも本音直撃
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph byAFP/JIJI PRESS
posted2024/03/12 11:03
23年9月、4-1でドイツに大勝した際の日本代表スタメンの11人。国内外で“日本サッカーに触れる外国人”からの評価は確実に高まっている
日本サッカー界全体のことを考えると、あまりにも廉価な移籍金(欧州や南米出身の同レベルの選手と比べて、ひと桁もふた桁も安いケースも)については、利害関係者が真剣に議論を重ね、なんらかの策を講じるべきだと思う。それでも、この競技の中心地から遠く離れた極東の島国のリーグが、今や地球上で一番ホットなフットボール市場と評されている事実に驚く。
これは世界が日本人選手のクオリティーに気付き始めた、ということなのか。それともシンプルに、日本人選手のレベルが無視できないほどに高まっているのか。
ゴミス「川崎のユースにも顔を出す。常に…」
「今では誰もが日本のことをフットボールネーションと捉えている」
こちらの質問にそう答えたのは、川崎フロンターレのバフェティンビ・ゴミスだ。2月中旬のスーパーカップで彼らがヴィッセル神戸を下した後、国立競技場の取材エリアで声をかけると、38歳のストライカーは素敵な笑顔で快く応じてくれた。
「私はフランスやイングランド、トルコ、サウジアラビアでプレーしてきたが、日本には学ぶためにやって来た。人間としても素晴らしい経験ができているよ。私は日本の文化や人々が本当に好きなんだ。これまでにサンテティエンヌで松井(大輔)、マルセイユで酒井(宏樹)、ガラタサライで長友(佑都)と共にプレーしたが、彼らの印象も最高だった」
プレミアリーグやチャンピオンズリーグ、欧州選手権といった至高の舞台に立ってきた元フランス代表ストライカーは続ける。
「Jリーグは多くのチームが優勝を狙える面白いリーグだ。レベルも高く、ものすごくタフだから、毎試合、気を抜くことなんて絶対にできない。今日は勝てたけれど、次の試合でも同じ結果が得られるかどうかはまったくわからないよ。
私は(川崎の)ユースチームにも顔を出すんだけど、少年たちは情熱と規律、決意を持って意欲的に練習に取り組んでいる。指導者の教えをよく聞き、常に学ぼうとしているんだ。日本のフットボールの未来は明るいはずだよ」
日本と戦い、セルティック勢を知るキューウェルは?
横浜FMのハリー・キューウェル新監督も、現役時代に真のトップレベルでプレーした人物だ。45歳のオーストラリア人指揮官は1月の就任会見でこう語った。