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「Jは“世界で一番おいしい”移籍市場」欧州サッカー界が熱視線…「川崎のユースに顔を出すよ」ゴミス、キューウェル監督にも本音直撃
posted2024/03/12 11:03
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph by
AFP/JIJI PRESS
『(略)日本が一番“おいしい”フットボールマーケットである理由』
今年1月、『ニューヨーク・タイムズ』紙が運営するオンラインスポーツメディア『ジ・アスレティック』に、そんなタイトルの記事が掲載された。ベルギーのシント=トロイデンの立石敬之CEOや“トムさん”の愛称で知られる指導者トム・バイヤー氏、2019年に横浜F・マリノスをリーグ優勝に導いたアンジェ・ポステコグルー監督らの発言を元に構成された興味深い長編だ。
「ここが世界でもっともお買い得なマーケットだ」
立石CEOは、今や日本人選手にとって欧州の登竜門的な存在と認知されているクラブの実権を握るようになった経緯や、最初に「購入した」3選手──冨安健洋、遠藤航、鎌田大地──の成功がシント=トロイデンの認知度を高めたことなどを語っている。
トムさんは日本サッカーの育成段階における独特な文化的背景(高校サッカー、練習時間の長さなど)や、技術面の重要性を植え付けた自身の哲学を説明し、現トッテナムのポステコグルー監督は、三笘薫を初めて見た時の衝撃や、彼を輩出した大学サッカーについて話している。
またベルギーのモレンベークのチーフスカウトは、近年のJリーグの印象を次のように語った。
「このリーグのベストプレーヤーたちは、(欧州の)異なるリーグに移っても極めて高い能力を発揮できることに、私たちは気づいた。現時点で、ここが世界でもっともお買い得なマーケットだ」
そしてまた別のスカウトは、1月にジュビロ磐田からベルギーの名門アンデルレヒトに移った18歳の長身FW後藤啓介について、マンチェスター・シティのアーリング・ハーランドを引き合いに出して紹介。買い取りオプション付きのローン契約であることから、リスクの少ないギャンブルだとも記されている。
“廉価にもほどがある移籍金”という側面もあるが
欧州のフットボール関係者が、「正気の沙汰か!(insane!)」と驚愕するほど安い資金で優秀な人材が獲得できる市場──それが現在のJリーグだ。