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「タケはスペイン語どころかバスクの言葉も」スペイン人記者が久保建英22歳に本音で驚く“サッカーIQ”と…「品性、カリスマ性がある」
posted2023/10/16 11:01
text by
ホセ・ルイス・ゲレーロJose Luis Guerrero
photograph by
Daisuke Nakashima
アトレティコ・マドリーの本拠地メトロポリターノで観た久保建英からは、何よりも成熟度を感じた。
10月8日に行われたこの試合で、ホームチームのディエゴ・シメオネ監督──相手の長所を消すのが実に得意な指揮官だ──は、レアル・ソシエダ攻撃陣の最大の脅威、“タケ”に複数のマークをつけて封じようとした。この狙いはほぼ完璧に奏功し、背番号14をまとう日本代表アタッカーは序盤から、ほとんど仕事をさせてもらえなかった。
22歳にそぐわぬ冷静さと洞察力
ただし22歳の彼は、その年齢にそぐわぬ冷静さと洞察力で、徐々に相手から離れてプレーするようになり、自らのリズムを取り戻していった。そして前半アディショナルタイムには、右サイドから少し内側の後ろに戻りつつ、左足で高精度のクロスを送った。フリーのミケル・オヤルサバルがこれを決めていれば、前半は1-1のドローで終わっていたはずだ。
結局、ソシエダは1-2でこの試合に敗れたが、65分に退いた久保の評価が大いに下がるようなことはないだろう。強豪相手に仕事ができないという批評は、昨季にレアル・マドリー戦で得点していることもあり、成り立たない。
そしてなにしろ、彼は9月のラ・リーガ最優秀選手に、日本人、そしてアジア人として初めて選出されているのだ。1年目のレアル・マドリーで、途轍もないセンセーションを巻き起こしているジュード・ベリンガムを差し置いて。
8月の月間最優秀選手に輝いたこの20歳のイングランド代表と共に、久保は今のラ・リーガを代表するアタッカーだ。得点ランキングでも、ベリンガムが8得点でトップ、久保は5得点でロベルト・レバンドフスキやアルバロ・モラタらと並んでいる。
クボはついに本格化の時を迎えているようだ
スペインに戻ってきてから5シーズン目の久保は、ついに本格化の時を迎えているようだ。