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落合博満の中日“じつは今より打てないチーム”で優勝…立浪和義に森繁和が語る「あの“米騒動”への本音」「キーマンは中田翔か龍空か」
text by
柳川悠二Yuji Yanagawa
photograph byTakuya Sugiyama
posted2024/01/12 11:02
2016年から2年間、中日を率いた森繁和
「選手に戦力外を通告するのも、ドラフトを含めて新戦力を他から獲ってくるのも、ある意味では監督の専権事項である。それができるのは、12球団で12人しかいないんだ。しかし、結果が伴わなければ支持は得られない。来年は契約最終年とされている。もしかしたら5年契約の可能性もあるが、3年続けて最下位ならば誰もが我慢ならないでしょう」
「優勝争いで選手は成長する」
森に最後、来季の順位予想をしてもらった。
「それはもうAクラスになって欲しい。最低でも3位。ただ3位に入るだけでなく、優勝争いをした上でクライマックスシリーズに進出してもらいたい。最下位よりも、優勝争いをする中で投げる方が投手は成長するもんなんだ。ただ、やはり得点力が心配です。1点を確実に積み上げていけば必ず勝機が生まれるし、阪神と横浜に大負けしているだけで、そこをイーブンの戦績に持って行くだけで上位は見えてくる。悲観することはないよ」
森が監督時代に重宝した京田陽太は2022年オフに横浜DeNAにトレードされ、ドラフト1位で獲得した鈴木博志は2023年オフに現役ドラフトでオリックスへ移籍した。彼らに対し、森の中に親心に近い感情があって当然だ。
それでも恨み節どころか、安易に立浪の施策を否定せず、温かいエールを贈るのは、監督経験者として誰より立浪の苦悩が理解できるからだろう。
〈つづく〉