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中日・立浪和義に抱える“歯がゆさ”…PL学園の盟友が明かす「タツは酒席でもアセロラジュースを」「言葉で伝えるのは苦手かも…不器用だから(笑)」
posted2024/01/16 11:00
text by
柳川悠二Yuji Yanagawa
photograph by
JIJI PRESS
中日ドラゴンズのファンは、2009年まで22年間にわたってチームの要として活躍し、通算2480本もの安打を放ったミスタードラゴンズの監督就任を待望していた。そうした声が立浪和義に届かないはずがない。タツはずっと監督になりたかった――PL学園の同期生である野村弘樹はそう考えている。
「だからこそ、就任していろいろなことを改革しようと、タツ自身が前のめりになってしまったというのはあるのかな」
お酒は飲まず…「アセロラドリンクを」
立浪に対して豪放磊落なイメージを持つファンも多いだろう。しかし、意外なことに下戸だ。
「同期が集まると、私や片岡(篤史)はガバガバ飲むけど、タツはいっさい、アルコールを口にせず、いつもアセロラドリンクを飲んでいた。節制しているというよりは、単純に体質がアルコールを受け付けないようです。アスリートとしても飲まない方がケガをしにくいし、ケガしても回復が早い。それに酒に酔って身を持ち崩すこともない(笑)。とはいえ、監督ほどストレスの溜まる職業はない。弱音を吐くことのないあいつはいったい、どうやってストレスを発散しているんですかね」
PL学園時代、主将を務めた立浪から怒られるようなことはなかった。いつも背中で仲間にメッセージを送るタイプのリーダーだった。しかし天才肌の野球人で、口下手な男が一度だけ活を入れたことがある。
「最後の夏、大阪大会を制して甲子園出場が決まり、みんなが盛り上がっている時に、『俺らはこれからだぞ』とチームを引き締めたんです。全国にある9割9分9厘の学校は甲子園に行くことが目標だと思います。だけど、目標が甲子園の学校は優勝できない。PLは日本一が目標で、全員がその思いをひとつにできるかが大事だというタツなりのメッセージだった」
「タツは不器用だからね(笑)」
低迷する中日も最下位脱出ではなく、あくまでリーグ制覇、そして日本一を目指してこそこの暗闇から抜け出す近道だろう。