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落合博満の中日“じつは今より打てないチーム”で優勝…立浪和義に森繁和が語る「あの“米騒動”への本音」「キーマンは中田翔か龍空か」
text by
柳川悠二Yuji Yanagawa
photograph byTakuya Sugiyama
posted2024/01/12 11:02
2016年から2年間、中日を率いた森繁和
「だけどその龍空に対して、来季のポジションは『白紙』と話している報道を見た。2022年、2023年と2年連続で取った新人と競わせるつもりだろうが、龍空の打率がせめて2割5分ぐらいにまで上がって来たら、ショートであれ、セカンドであれ、定位置を確保できるだろう」
エラーの多さもまた、阪神の「85」、広島の「82」に次ぐ「79」で、指揮官を苦しめた。
「人工芝のバンテリンドームで戦っていて、どうしてこんなにエラーが多いのか。守備練習にだけ問題があるとは思えない」
ピッチャー陣は「計算が立つ」
問題を抱える野手陣の一方で、投手陣は計算が立つ。
「涌井秀章や田島慎二といった右のベテランももう数年は第一線で活躍できる。今のうちに、2023年にロドリゲスに代わるセットアッパーとして50試合に登板した清水達也(24歳)、育成から支配下になって36試合に登板した松山晋也(23歳)、50試合投げた勝野昌慶(26歳)らに自分の立場を固めてもらいたい。彼らがこのまま成長してくれたら、大野(雄大)が戻ってくる来季の投手陣はセ・リーグでも上位の陣容だろう。絶対数がいるから、野手よりは計算ができる」
「オレが食事について文句を言ったのは一度だけ」
2023年シーズン中に起きた米騒動についても森はこう言及した。
「登板直前の先発投手や、スタメンの野手で試合前に米をたくさん食うヤツなんか球界にひとりもいないよ。あまりに目に余ることがあったから、炊飯器を撤去したんだろう。タツが監督をやる以前にも、『ラーメン禁止』のお触れを出した監督もいた。オレが食事について文句を言ったのは一度だけ。食堂でカレーを食べようと思ったら、ニオイが嫌いなピーマンが入っていた。だからコックさんに言ったんだよ。『カレーにピーマンだけは入れないでくれ』って(笑)」
オフに入り、大野は契約更改時に「やらないといけないのは選手だが、球団や監督、コーチ陣を含めたみんながガラッと変わらないと強くならない」と発言。すわ、監督批判かと激震が走ったが、大野は慌てて「言葉足らずだった」と火消しに走り、立浪に批判が集中することに対して「申し訳ない」と謝罪した。
そうしたベテラン選手による声も、“3年連続最下位”への危機感から上がったものだろう。