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立浪和義を“落合博満時代の名コーチ”が語る「タツが中日ファンから嫌われているとは思わない」助っ人がまさかの亡命も…立浪政権を検証する
posted2024/01/12 11:01
text by
柳川悠二Yuji Yanagawa
photograph by
Hideki Sugiyama
2年連続最下位から勝負の3年目を迎える中日・立浪和義監督。どうすれば逆風を追い風に変えられるのか――PL学園時代のエピソードやプロ野球関係者の証言、監督2年間の検証を通して、2024年シーズンの光明を見出してゆく。〈#5「監督2年目の誤算」/全8回の5回目〉
中日ドラゴンズを率いる立浪和義にとって2年目のシーズンは開幕前から躓いた。
中継ぎ助っ人が亡命…誤算の2年目
2022年シーズンに45ホールドポイントを記録し、最優秀中継ぎ投手となったジャリエル・ロドリゲスがWBCにキューバ代表として出場したあと、予定された日に来日せず、米国へ亡命するというまさかの事態が起こった。
さらには新たな助っ人にも期待を裏切られた。
監督1年目終了後に、主力をトレード放出するなど血の入れ替えを行い、若返りを図った立浪にとって、得点力は外国人選手に頼らざるを得ない一面があるのは否めない。2023年シーズンを前に、獲得したのがドミニカ人外野手のアリスティデス・アキーノだった。
2017年から2シーズンにわたって中日を率いた森繁和は、春季キャンプ中、立浪に2年目のシーズンの展望を訊いた。
「タツの中では、捕手の木下拓哉と、センターの岡林勇希、前年にショートのレギュラーを掴もうとした龍空というセンターラインを固めた上で、『4番レフト』の新外国人がカギを握る、という構想があった。4番が固定できれば、そのあとを打つ(ダヤン・)ビシエドも気楽に打席に入れて打線が活性化する、と。私はタツの言う通りだと思ったね。投手陣は左右の先発陣が計算できるし、リリーフ陣はキューバ人選手が逃げてしまったけど、その代わりを務められる選手はいる。ところが……」