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「ヒールを演じているんですよ」鹿島FW鈴木優磨に“黒のカリスマ”蝶野正洋が明かした「ワルの本音」“代名詞ケンカキック”も伝授? 

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池田博一

池田博一Hirokazu Ikeda

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photograph byKASHIMA ANTLERS

posted2023/05/09 11:02

「ヒールを演じているんですよ」鹿島FW鈴木優磨に“黒のカリスマ”蝶野正洋が明かした「ワルの本音」“代名詞ケンカキック”も伝授?<Number Web> photograph by KASHIMA ANTLERS

鹿島アントラーズのクラブハウスを訪れた蝶野正洋(右)と対談したFW鈴木優磨。プロレス好きを公言するだけあって、汗だくになるほど緊張した様子だった

 アメリカでの武者修行を経験した蝶野と同じく、鈴木も2019年7月から2021年までベルギーでのプレーを経験している。2021シーズンは年間17ゴールを記録。夏の移籍市場では欧州5大リーグへの移籍が実現するかとメディアを騒がせる存在にまでなった。鈴木自身、目に見える結果を残したことで、そして日本を離れて経験した海外での経験をもとに、自ら芽生えた価値観があった。

鈴木 やっぱり、試合をしていても日本人選手の方がやりやすいですか?

蝶野 外国籍選手はやっぱり、何をするか分からないところがあるからね。特に日本に来て名を上げたいというやつは、もう格とか何も関係なく、チャンスがあったらケガをさせてでも自分がいいところを持っていこうというやつがいるわけよ。

鈴木 まあ、そうですよね。何をするかわからないイメージがあります。

蝶野 でもそういう相手だと、こっちも臨戦態勢でやらないといけない。コントロールできないやつは危ないじゃない? だから、こっちも同じぐらいのテンションでいかないといけないというのはあるかな。プロレスから外れたようなことをやってくることもあるので。鈴木君はどう?

鈴木 俺は外国籍選手のほうがやりやすいですね。

蝶野 やりやすい?

鈴木 はい、日本人選手はアドレナリンが出ているときでも、冷静な部分があるんです。だから90分間ずっと集中が切れない選手が多い。外国籍選手は体が強くてフィジカル的にも能力が高いのですが、どこか一瞬だけ集中力が切れるような場面があるんです。そういったところはフォワードとしてすごく狙い目なので。その一瞬があるので、結構、僕は外国籍選手のほうがやりやすいです。

“プロレス界のFW”はアントニオ猪木

蝶野 俺はサッカーをやっていたとき、バックのほうだったの。もうフォワードはプロレスでいう典型的な正義のベビーフェイスだよね。もう自分のことだけでわがままで、とにかく俺にボールを寄越せば点を取るというね。でも、それをやらなければダメだね。

鈴木 はい、そうですね。大事なことだと思っています。

蝶野 プロレスでフォワード系といったら、やっぱりアントニオ猪木さん、あとは武藤敬司とかね。もうとにかく俺に持って来いって言ってね。

鈴木 完全にフォワードですね。

蝶野 とにかく美味しいところがあったら、全部持っていっちゃう。リングの上には必ずどこかのタイミングで、普通の駆け引きのところで絶対にその美味しいものがあるわけ。それの奪い合いなわけよ。

鈴木 はい。

蝶野 そこでやっぱりバックス系は「どうぞどうぞ、俺はそのあと美味しいのを食べるよ」と。

鈴木 蝶野さんはそっちなんですか?

蝶野 俺もね、最初はバックス系だったんだけど、やっぱりそれをやっていたら何も残らないし、残してくれない。プロレスの世界では、合宿所の食事はちゃんこを食べるんだけど、たまにいい肉をもらったりすると、しゃぶしゃぶとか焼肉のときがあって。焼肉なんかはひどくて、同期と先輩の4人ぐらいで食っていたら、手前が自分のものになるはずなんだけど、何か漬物でも食べようかなと思っていたら、もう自分のものが食べられているわけ。もうその網に乗っかったものは、誰のものでもない。非人道的な連中しかいない。普通のスポーツはそこまでマナーが悪くはないよね。

鈴木 そうですね(笑)。

蝶野 もうレスラーはね、人として失格しているやつがいっぱいいるよ(笑)。

【次ページ】 「俺が監督だったら(鈴木に)主将はやらせない」

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