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浦和レッズにとってACLはなぜ“こんなにも特別”なのか…「負けたとしても埼スタで必ず取り返せる」「真っ赤なサポーターの笑顔を見るのが」
posted2023/05/08 17:25
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
AFC
<名言1>
外国に行くのって刺激になるから、とても有意義だった。
(鈴木啓太/Number692号 2007年11月22日発売)
◇解説◇
浦和レッズが、5大会ぶり3度目となるアジア制覇を成し遂げた。5月6日に行われたアル・ヒラルとの決勝第2戦、ホームの埼玉スタジアム2002に詰めかけたファン・サポーターは圧倒的な熱量で選手たちをサポート。ピッチの面々もそれにこたえるかのような戦いぶりで、1-0(合計スコア2-1)で勝利した。
5万人超が詰めかけた埼スタでは、キックオフ前に旧浦和市と世界地図をつなぐかのようなコレオグラフィーの中で「URAWA AIR」と記された飛行機のイラストが舞う、かつてないスケールの仕掛けを作るなど、アジア王者奪還にかける思いを強く感じさせた。
アジア初制覇、各国転戦した鈴木啓太の言葉
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浦和にとって、アジアの闘いは、いつだって特別だった。その起点となったのは、2007年のACL初出場、Jリーグ勢初制覇だったと言っていい。
〔2007年:浦和ACLの戦績〕
グループステージ:2勝4分け(首位通過)
準々決勝:vs全北現代、2戦合計4-1
準決勝:vs城南一和、2戦合計4-4、PK戦5-3
決勝:vsセパハン、2戦合計3-1
レッズは小野伸二や田中達也に田中マルクス闘莉王、ワシントンにポンテと当時の豪華陣容がズラリと並び、若き日の長谷部誠もいた。グループステージではアジア各国を転戦し、Kリーグ勢との激闘、そして決勝ではセパハンのホームタウンであるイランの地へと――熱狂的なサポーターとともに闘った。
その中で鈴木啓太や阿部勇樹はオシムジャパンにも招集されており、その年に行われたアジアカップでベトナム遠征をするなど、超ハードスケジュールの日々を過ごした。コンディション維持が難儀だったのは想像に容易いが、旧知の記者に対して啓太は準決勝進出後、「代表ではベトナム、オーストリアに遠征したし、レッズではオーストラリア、中国、インドネシアときて、今回は韓国でしょ」と各国に行ける喜びを感じつつ、このようにも話していた。
「チームとしても個人としても、ここでもう一段階レベルアップできるチャンスだと思ってやる」
セパハンとの埼スタでの決勝第2戦、浦和は永井雄一郎と阿部のゴールで大団円を迎えたのだった。