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「模試で東大DかE判定」だったのに…なぜTBS喜入友浩アナは一浪で赤門合格できたか「前日、試験にどう臨むか考えた」捕手的思考
posted2023/02/18 11:15
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
Takuya Sugiyama
「センター試験」が「大学入学共通テスト」と名が変わって数年、今も昔も1~3月は受験シーズンであることには変わりない。この追い込み時期にどんな勉強をして入試本番に臨めばいいのか、自分事になるとよく分からず試行錯誤したな、という苦い記憶がよみがえる。
その一方、近年ニュースでよく目にし、現場でも見受けられるのは「文武両道アスリート」の存在だ。
10年ほど前の秋のこと。高校サッカー強豪校の1つ、國學院久我山の試合で活躍した選手に取材した際、チーム関係者から「10分ほどで囲み取材をお願いします」と言われた記憶がある。その理由は〈夜に大学受験のための塾・予備校があるので〉というものだった。大事な試合の後に勉強もこなすのか! と衝撃を受けた。
東大に入学以降も陸上競技を続け、三段跳びで躍進した内山咲良さんにも話を聞いたことがある。勉学とスポーツに対する集中力が本当に凄いな、と思うと同時に……ほかにもこんなスーパーな東大卒の人、いるんだろうなあとずっと思っていた。
野球部出身の喜入アナに、東大合格記を聞いてみよう
で、夜の「news23」を見ていると〈あ、この人もじゃない?〉と気づいた。
TBSテレビの喜入友浩アナウンサーだ。
熱心なアマチュア野球ファンなら知る人ぞ知る存在だろう。東京大学野球部で正捕手としてプレーし、昨シーズン限りでプロ野球から引退した宮台康平さんとバッテリーを形成。喜入アナが4年生時には春秋通じてシーズン4勝。(失礼ながら)連戦連敗のイメージがある東大で存在感を放った。その後、民放キー局としては初となる東大野球部出身のアナウンサーとして入社。スポーツ実況や現在は報道のフィールドと、テレビやラジオで幅広く活躍している。
そう言えば喜入アナウンサーの都市伝説として〈東京六大学野球でプレーしたい。そのために自分は東大に入るしかなかった〉という気持ちだったと聞いたことがある。それ、本当なのだろうか? あと野球を続けながらどんな受験勉強で東大に合格したのかも聞きたいな……と思って取材を申し込んでみると、快諾いただいた。
え、中学・高校・大学全部受験してるんですか?
――喜入アナウンサー、よろしくお願いします。
「はい! このような形で取材していただくのは光栄な限りです」
――まず基礎情報で東大は一浪で合格されたとのことですが、それまでの学歴はどのようなものでしたか?
「まず中学受験をして、福岡教育大学附属福岡中学校に入学しました。中学時代にも県立修猷館高校を受験して、大学も受験したんですよ」
――え、中・高・大と全部受験したとは。勉学に目覚めたきっかけから教えてもらえませんか?