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41歳精巣がんで死去…MFレアンドロ・ドミンゲスは「天才肌だが汗をかけた」「彼と確執があったわけでは」恩師ネルシーニョも沈痛〈柏でJ1制覇〉

posted2025/04/03 17:01

 
41歳精巣がんで死去…MFレアンドロ・ドミンゲスは「天才肌だが汗をかけた」「彼と確執があったわけでは」恩師ネルシーニョも沈痛〈柏でJ1制覇〉<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

「レドミ」の愛称で愛されたレアンドロ・ドミンゲス。柏レイソルを優勝に導き、2011年のJリーグMVPに輝く以外にも各クラブで鮮やかなプレーを見せた

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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Takuya Sugiyama

 2001年から22年まで22年間にわたって攻撃的MFとしてプレーし、日本では2010年から20年にかけて柏レイソル、名古屋グランパス、横浜FCで活躍したレアンドロ・ドミンゲスが4月1日、41歳の若さで亡くなった。

ブラジルの1部・2部の試合でも黙祷が決定

 日本での約10年間のキャリアを終えた後、2020年末に母国へ戻り、2022年4月、38歳にしてブラジル南部の小クラブに加わった。しかし、ほどなく精巣がんが見つかり、現役を引退して治療に専念していた。

 昨年2月、化学療法を行なった末に手術を受けた。6月「快方に向かっている。とても元気だよ」と国内メディアに語ったものの、その後は病状についての報告が途絶えていた。

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 彼の出身クラブであるヴィトリアは、公式SNSで「ピッチ上のマエストロとして、6度の州選手権制覇に貢献した」と功績を称えた。「彼の闘志、情熱、献身、そして模範的な行動は、クラブの財産として永遠に残る」として、「クラブ史上最大の功労者の一人である彼の死を深く哀悼する」と伝えた。

 4月2日、彼の亡骸は北東部サルバドール市内の墓地に埋葬された。ブラジルサッカー連盟は5日と6日に行なわれるブラジル1部と2部の全試合で1分間の黙祷を捧げると発表している。

ネルシーニョ、工藤壮人や酒井宏樹の“レドミ評”

「レアンドロが亡くなったことを報道で知り、大きなショックを受けた」

「彼がいなければ、柏は(2010年と2011年の)J2とJ1の連続制覇という偉業を達成できなかっただろう。私の長い指導者生活の中で、ひときわ印象に残る選手だった。冥福を祈りたい」

 彼と共に柏で一時代を築き、現在は監督業から退いてサンパウロに住むネルシーニョの声は、沈痛だった。

 突出した個の能力を持つ一方で、偉大なチームプレイヤーだった。精緻な技術、的確な状況判断と優れた対応能力、豊富なアイディア、そして勝負への強い執念を持ち合わせていた。その能力に信奉していたのは監督だけでない。柏のチームメイトで、2022年に32歳で逝去したFW工藤壮人もその1人だった。

【次ページ】 天才肌でありながら、汗をかくことを…

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