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「ニッポンのファンになった」ドイツが敗退したのに…カタールに残って森保ジャパンを取材したドイツ人記者の告白「正直驚いた3人の日本人選手」 

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フィリップ・セルドーフ/南ドイツ新聞

フィリップ・セルドーフ/南ドイツ新聞Philipp Selldorf / Süddeutsche Zeitung

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posted2022/12/15 17:01

「ニッポンのファンになった」ドイツが敗退したのに…カタールに残って森保ジャパンを取材したドイツ人記者の告白「正直驚いた3人の日本人選手」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

クロアチアに敗れて一夜明け、記者会見に応じる三笘薫(25歳)。今大会の日本代表の躍進には他国の記者からも注目が集まった

 それから経験もまだまだ不足している。日本代表の面々は今大会で、磨き上げられたスキルや特別なタレントを世界に披露したが、重要な瞬間に冷静さを失うシーンも散見された。特に顕著だったのは、ゴール前での落ち着きの欠如だ。加えて、信頼できるフィニッシャーの台頭も待たれる。一線級の本格派ストライカーは世界的にも少ないが、ドイツと同様に日本も点取り屋の育成という難しい課題に取り組んでいかなければならない。

 とはいえ、このW杯で今の日本代表が賞賛されたのも事実だ。たとえば、私たちの国の代表を統率したハンジ・フリック監督は「日本のフットボールのファンだ」と公言している。日本人選手の物事に取り組む姿勢を称え、遠藤航は「ブンデスリーガで最高の守備的MFのひとり」と断言したほどだ。守備力と集中力、展開力に秀でる遠藤なら、フリック監督のドイツ代表でもポジションを掴んだかもしれない。

三笘、伊東、権田の3選手には驚かされた

 ドイツは欧州でもっとも早く日本のサッカーの可能性を感じ、認めてきた国だ。1960年代にはデットマール・クラマーが日本代表を指導し、1970~80年代には奥寺康彦がブンデスリーガでプレーし、リーグタイトルを手にしている。2000年代以降は香川真司や内田篤人、長谷部誠が目覚ましい活躍で地元のファンからも熱烈に愛され、最近では鎌田大地がフランクフルトにヨーロッパリーグのタイトルを持ち帰ってサポーターを喜ばせた。吉田麻也や板倉滉、堂安律、伊藤洋輝も、今季のブンデスリーガで存在感を放っている。

 だから我々は彼らのことはよく知っていたわけだが、三笘薫や伊東純也、権田修一のパフォーマンスには驚かされた。三笘のドリブルや伊東のスピードはどんな相手にも通用するはずだし、権田の鬼気迫るセーブは今大会の日本が躍進できた大きな理由のひとつでもある。個人的には、三笘と伊東の両翼を試合の最初から観たかった気もするが、森保一監督には何か狙いがあったのだろう。

 1月には多くの日本代表選手がブンデスリーガに戻ってくる。彼らはそこで、地元ファンから熱く歓迎されるに違いない。日本代表の選手たちは、世界の桧舞台でW杯優勝経験国のドイツとスペインを下したのだ。その得難い経験を生かして成長し、高めた実力をそれぞれのクラブに還元してくれるものと期待されている。日本代表のサポーターも、同じ気持ちだろう。

 全般的に、日本代表は正しい方向に進んでいると思う。きっと4年後には彼らのポテンシャルがさらに上がり、また世界を驚かせてくれることを筆者も楽しみにしている。

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