- #1
- #2
サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「僕は今のままじゃダメだな」権田修一が悔いた“経験のなさ” 「“シュミットを使え”と書かれていたのは知っている」「永嗣さんは…」
posted2022/12/11 11:02
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
Kazuo Fukuchi/JMPA
GKという、どうあがいても一人しか出場機会のないポジションで仲間でありライバルの存在の大きさは他のポジションのそれとは比べ物にならない。カタールW杯4試合を通して日本のゴールマウスを守り続けたのは権田修一で、彼を刺激し続けたのは、GK仲間のシュミット・ダニエルと川島永嗣だった。事あるごとに権田はそれを口にしている。
権田が語る“控えGK”の2人
例えば「みなさんがシュミットを使え、シュミットを使えって書いてきたのは知っている」とシュミット・ダニエルの名を出したのは一度ではない。シュミットは9月のドイツ遠征で好セーブを連発するなど結果を出した。この事で「シュミットを正キーパーに」という報道が急増したのは事実だ。しかもシュミットは197センチの高身長で権田より10センチも身長が高く、海外メディアからも注目された。W杯初戦ドイツ戦前はドイツのタブロイド紙であり有力紙でもあるBild紙で、サブであることがわかっていながら、盛大にシュミットの特集が組まれていた。権田はもちろん前回大会まで守護神を務めてきた背番号1・川島永嗣についても言及してきた。「GK陣を一番引っ張ってくれてるのは永嗣さん。昔から日本サッカーを引っ張ってくれていて」と語り、真剣にトレーニングに取り組むその姿勢への敬意を口にする。
キーパー同士ライバルであり仲間である特殊な関係性は見ている我々も理解できることだが、これほど明らかに名前を出して仲間について話をすることは、なかなかないように思う。理由を考えてみると、もしかしたら権田には彼らへの尊敬はもちろんだがコンプレックスのようなものが強くあるのでは、という気がしてくる。
僕自身、この状況じゃ駄目だな
クロアチア戦の敗戦翌日、権田はこんな話をしている。
「僕自身が、やっぱり言い方はよくないかもしれないですけど、この状況(Jリーグ・清水エスパルスでプレー)じゃ駄目だなっていうのが一番です。別にJリーグが悪いとか、海外がいいとかって話じゃないですけど、やっぱり結局、外国籍選手として助っ人として海外でプレーできるっていうのは一つなんていうんですかね……評価されてる証じゃないすか。僕自身がやっぱり2年間ポルティモネンセでやって試合に出た時期もありましたけど、やっぱりもう一段ステップアップできずに日本でプレーすることになりました……という状況になってしまった僕がやっぱ(試合に)出ていて(それでいいのかと)。まあ選んでくれたのは監督なので、『海外で試合に出てる選手じゃなくていいじゃないか』って言われたら、それまでなんですけど」