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W杯日本代表、グループ突破の可能性は何%?「正直5%くらいだと思っていた」識者2人の本音「森保監督は最高の“高校サッカー”をするべき」
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
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posted2022/10/29 17:01
森保一監督。11月1日にカタールW杯26人のメンバー発表を控える。奥は9月のドイツ遠征でチームに電撃合流した長谷部誠
レオ 普通に考えたら、やっぱりドイツとスペインが有力じゃないですか。正直な話、グループのどのチームに対しても先制されたら負けると思っています。森保ジャパンで、試合中に理にかなった修正ができたことがあまり記憶にないので。
それでも、ありがたいのは三笘薫がいることです。チームとして修正できなくても、個人の力でチャンスを作ってくれる三笘がいて、右にも伊東純也がいる。手も足も出ないような状況でも、10分に1回くらいは、ボールが来たときに何かが起こる可能性がある。ただ、それも先制された場合はケアされてしまうでしょうけど……。現状だと、高く見積もっても突破の確率は25%くらいが妥当じゃないかと思います。
――試合をご覧になって、ドイツ遠征前よりも改善されたと感じた部分はありましたか?
レオ 内側からの具体的な声を聞くと良くなっているのかもしれませんけど、ピッチで起きている現象としては……。プレスが効いていなかったり、相手に対してズレを作れないまま攻撃したりしていたので、選手任せなんだろうな、と。
木崎 たしかにアメリカ戦の後半は、相手が4バックから3バックに変更して全然プレスがハマらなくなりましたよね。その瞬間にベンチから「相手が3枚のときはこうだ」という修正はできていなかった。これがレオさんからすると、根本的な問題は解決していないんじゃないか、ということになるわけですね。
レオ そうですね。たとえば対戦相手のドイツやスペインの場合は、相手が3バックでも4バックでも、前線からどうハメていくかというのはある程度決まっているんですよ。さらに臨機応変なプレスをするのが得意なミュラーやペドリのような選手もいる。
木崎 いくら選手間の話し合いといっても、日本は相当なトライ&エラーを繰り返さないとその差は埋まっていかないと。
レオ 付け加えるなら、ネーションズリーグでのドイツとスペインは調整しながら仕上げているくらいの感じで、対して日本はアメリカ戦でめちゃくちゃ頑張っていたじゃないですか。強度が高いこと自体は素晴らしいんですけど、裏を返せばW杯本大会でギアが入ってもそんなに変わらないということ。あと、この時期に「選手間での話し合い」というのも、直前になってやり始める毎度のパターンだな、と。4年以上の時間があったのに、中島翔哉と南野拓実と堂安律が“三銃士”と呼ばれていたころからサッカーとして何か上積みがあるかといったら、「ある」とはいえないんじゃないかと思いますよ。
論点【2】「ビルドアップはやらないほうがいい」
――手厳しいですね。
レオ 普通に4-2-3-1で守って、相手の形が変わっても特に対応するということはない。で、自分たちのコンビネーションが出るかどうか。4年かけてしっかり積み上げないで、直前で一夜漬けの勉強を始めたくらいでW杯のグループリーグを突破できるほど、サッカーは甘くないんじゃないですか。
木崎 プロセスとしては毎回そういう感じですよね。積み上げずにここまで来て、4年ごとにリセットして。それが結果としてどうなるか……。
レオ 2018年のドイツや2010年のフランスのように対戦国に内紛やトラブルがあれば別ですが、普通に相手もちゃんとコンディションが整っている状態であれば、三笘や伊東の爆発なしで勝つことは難しいと思います。
――お2人がそれぞれ35%、25%と語ったグループリーグ突破の確率ですが、それを少しでも上げるためにはどんなことをすればいいんでしょうか。