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高1から13分台、3種目の高校記録更新者…高校生トップランナーベスト5は「どの大学」に進むのか?
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byAFLO
posted2022/03/17 17:01
優秀な高校生ランナーたちはどの大学へ進むのか?
他にも都大路を駆けた選手が入学予定で、6区2位と好走した花岡慶次(世羅・14分20秒28)は、スピードと駅伝力があるランナー。都大路優勝経験のある選手の加入は法政大の今後を見据えると非常に大きい。さらに宮城県高校総体1500mで仙台育英勢と対峙し優勝している高橋彰太(東北・14分07秒72)も主力候補になっていくだろう。
今回の法政大のスカウティングは、都大路ではエース区間の1区走者が3名、留学生と張り合う3区が2名と力のある選手に加え、優勝校から花岡慶次と駅伝に強みを持つ選手を獲得している。既存のチームから抜けるのも鎌田と清家陸(4年)のふたりだけで、6区2位と快走した武田和馬(1年)ら8名が残り、予選会を経ることなく本戦に集中できるメリットは大きい。その中で大島ら1年生がどのくらいメンバー選考に食い込んでいけるか。2人、3人と名乗りを上げてくれば来年の法政大は他校にとって相当な脅威になる。
3位の花岡寿哉(上田西)は「東海大学」へ
東海大にとって、高校生5000mランキング3位・花岡寿哉(上田西・13分48秒29)の入学は非常に大きい。両角速監督がかつて指導していた佐久長聖からではなく、その背中を追い続けてきた上田西高からの入学になる。昨年12月の日体大記録会では、長野県では佐久長聖高校以外で初となる13分台を記録し、その後の平成国際では10000mで全カレ日本人トップの上田颯汰(関学大)と競り合って29分25秒91を出すなど、スタミナとスピードを合わせ持つ選手だ。
さらに注目すべき新入学の逸材は兵藤ジュダ(東海大翔洋・13分54秒70)だろう。昨年の静岡県高校総体1500mを3分51秒24で走って27年ぶりに大会記録を塗り替えている。インターハイでは800m優勝、1500m2位のスピードランナーだ。中距離に強いが箱根出走を目指すようなので、駅伝での走りも非常に楽しみだ。他にも都大路出場組では、駅伝では不発ながら安定した走りが持ち味の1区32位・松本颯真(伊賀白鳳・14分00秒16)をはじめ、両角速監督の息子・両角駿監督の指導を受けていた1区17位の湯野川創(東海大相模・14分12秒46)、1月の熊本県高校クロカン6000mで優勝している1区10位の竹割真(九州学院・14分15秒03)、逗子中学時代にジュニアオリンピックの出場経験を持つロホマンシュモン(川崎橘・14分12秒45)も入学予定だ。
今年の東海大のスカウティング状況を見ると、スピードがある選手が多く、「スピードの東海」として箱根を制した95回大会の頃のスタイルに回帰する傾向にある。