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「本来4番を打てる打者ですけど」侍ジャパン井端弘和監督が牧秀悟を6番で起用するワケ…プレミア12“連覇のキーマン”に挙げた佐野恵太の役割とは
posted2024/11/20 17:20
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
JIJI PRESS
野球の国際大会「プレミア12」に出場する日本代表「侍ジャパン」は、1次リーグを5戦全勝のBグループ1位で突破。21日から東京ドームで行われるスーパーラウンドへの進出を決めた。19日に台湾から帰国したチームは、21日にAグループ2位の米国と激突。大会連覇への戦いが再び始まる。
最後の最後にようやく打線がつながった。
スーパーラウンド進出が決まった中でのドミニカ共和国との1次リーグ最終戦は、控え組中心の打線ながら小刻みに点を奪い、9回には打者一巡の攻撃で一挙5点を挙げての快勝だった。
「出ていなかった選手も使った中で、ある程度、安打も出た。いい状態で来ている。(国際試合で)4連戦というのはなかなかない中で、選手はタフだったと思うが、精神的、肉体的に1つ、レベルアップしたのではないかなと思う」
台湾での戦いを振り返った井端弘和監督の顔にも、ようやくつながった打線に少し安堵の表情が見てとれた。
バンテリンドームで行われたオーストラリアとのオープニングゲームを9対3と圧勝。しかし舞台を台湾に移した韓国、台湾、キューバとの3試合は厳しい戦いの連続だった。
着実に白星は手にしてきたが韓国戦は6対3、台湾戦は3対1、キューバ戦は7対6と僅差のゲームの連続。いずれも序盤に塁上を走者で賑わせながら、なかなか一気に相手投手を攻め崩せずに、終盤まで競った展開の連続だった。特にスーパーラウンド進出がかかったキューバ戦では2回から小刻みに1点、1点、1点、2点、1点と得点を重ねていったが、その一方で得点後に塁上に走者を残しながら後続が続かずに一気に試合を決めることができなかった。
そんな中で4回、6回と反撃にあって、終盤の7回には守備の乱れから1度は同点に追いつかれる厳しい展開。最終的には8回に決勝点を奪うと、最後は9回2死満塁と追いすがるキューバを振り切っての薄氷の勝利だった。
「もちろん着実に得点できていることは評価すべきところ。ただ、1点で終わらずに2点目、3点目をいかに取るかは今後に向けての1つの課題になる」
そう語る井端監督がスーパーラウンドに向けた1つの策として語っていたのが、ダブルクリーンアップとなる打線の編成だった。
牧秀悟を6番に起用した意図
今大会では3番の辰己涼介外野手(楽天)、4番・森下翔太外野手(阪神)に5番の栗原陵矢内野手(ソフトバンク)でクリーンアップを形成。一方では当初、4番候補と言われていた牧秀悟内野手(DeNA)を、6番に起用したオーダーが成功のカギとなった。
「6番・牧」の狙いを井端監督はこう語る。