ただ、チームとしては全日本、箱根駅伝は予選会からの出発となるため、例年よりも早い段階で仕上げていく必要がある。チームは、エースの市村朋樹（4年）が卒業するものの、5区2位の吉田響（1年）、6区6位川上勇士（3年）は健在で山は計算が立つ。越陽汰（1年）も7区3位と好走しており、松崎咲人（3年）と竹村拓真（3年）ら新4年生が引っ張っていくことができれば、エースの石原翔太郎（2年）もいるのでシード権はトップで狙える陣容になる。果たして、黄金世代、3本柱がいた頃の勢いとスタイルを取り戻せるか、注目だ。

2位の山口智規（学法石川）は「早稲田大学」へ

　高校生5000mランキング2位・山口智規（学法石川・13分35秒16）は、早稲田大学を選択した。高1から13分台を出し、昨年のインターハイ1500m決勝は8位、11月日体大記録会で高校歴代3位の13分35秒16を叩き出すなど、スピードとポテンシャルはピカ一だ。「5000mで、まずは日本選手権入賞が目標」と語るようにトラック重視だが、学法石川から早稲田は、今春卒業の半澤黎斗（4年）と同じ流れ。地元の期待を背負って箱根を走る姿が見られるはずだ。

　都大路出場組では、1区7位の間瀬田純平も注目。夏のインターハイの1500mでは佐藤圭汰（洛南）に敗れたが3位に入り、高校生ながら佐賀県記録を更新する3分42秒22を記録している。1年先輩になる伊藤大志（1年）と石塚陽士（1年）のように1年時から山口とともに表舞台で活躍しそうだ。また、躍動感のある走りを見せる須山向陽（鹿児島城西・14分15秒33）、関東地区高校駅伝6区区間賞の宮岡凜太（鎌倉学園・14分16秒96）も入学予定になっている。

早稲田では1年生から箱根の主力として活躍する選手がいある。石塚（1年）も今回の箱根で4区を任された　©Yuki Suenaga

　早稲田は、エースで箱根2区14位の中谷雄飛（4年）を始め、3区6位の太田直希（4年）、8区5位の千明龍之介（4年）、10区13位の山口賢助（4年）らが卒業となり、戦力ダウンが予想される。山口と間瀬田らが即戦力になってもチーム全体のボリュームを上げていくためには中間層のレベルアップが欠かせない。昨季は、ここ数年で最強とも言われた布陣で箱根のシードを失った現実を踏まえ、新戦力と共にどうチームを建て直していくのか、相楽豊監督の手腕が問われることになりそうだ。

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