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7大会連続W杯出場に“赤信号”…「3つの決定機は前半」サウジ戦の森保ジャパンから考える〈1点が遠すぎる問題〉
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2021/10/08 17:10
「6ポイントマッチ」に敗れてうなだれる吉田。一方、祈りを捧げるサウジの選手たち
あるいは、パワープレーという選択肢はなかったのか。
絶対に勝点3が欲しかったのだ。最低でもサウジに勝点3を与えてはいけなかったのだ。なりふり構わず力ずくでゴールへ向かうべきだった。
アタッカーの控えは三好しか残っていなかったが、ともに186センチの植田直通と板倉滉が控えていた。彼らのどちらかを投入して前線に立たせ、空中戦に活路を求める。吉田麻也を相手ゴール前へ上げてもいい。不格好でもいいから同点に持ち込む準備と覚悟が、森保監督には足りなかったのではないだろうか。
9月のオマーン戦と同じように、日本は相手の想定の範囲内で戦い、勝点を落としている。失点は柴崎のパスミスをきっかけとしたものだったが、チームとしての地力が足りなかったと言わざるを得ない。
スタメンから攻撃パターンまでを見直すべき
オーストラリア戦は5日後の12日に行なわれる。時間は限られているものの、スタメンから攻撃パターンまでを見直し、僅差の勝負でカギを握るリスタートを練り上げる。フィニッシャーとして期待できる南野にシュートを打たせるところから逆算して、ゴールへの道筋を考えるべきだ。合わせて、「絶対に勝点3を取る」というマインドをセットする。
球際で戦う、切り替えを早くする、相手より走るといった原理原則の徹底も欠かせない。戦術や戦略を問う以前に、とにかく戦わなければならない。そして、戦術や戦略で大きな違いが生じない攻防では、原理原則を突きつめたチームが一歩前に出るものだ。
中4日で監督を代えるのは現実的ではない。現体制でできること、やらなければならないことをすべてやるのだ。オーストラリア戦以降の体制については、試合の結果を受けて考えるべきである。