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7大会連続W杯出場に“赤信号”…「3つの決定機は前半」サウジ戦の森保ジャパンから考える〈1点が遠すぎる問題〉
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2021/10/08 17:10
「6ポイントマッチ」に敗れてうなだれる吉田。一方、祈りを捧げるサウジの選手たち
06年9月の敗戦は、イビチャ・オシム監督就任後3試合目のアジアカップ予選である。アジアカップの出場権を獲得するという目的に対して、致命的な損失を被る結果ではなかった。
17年9月の敗北は、ロシアW杯最終予選だった。日本は直前の試合でW杯出場を決めており、この試合は消化試合だった。06年に続いて、痛みを伴わない黒星だったのである。
今回は意味合いがまるで違う。6ポイントマッチを落とし、勝点差を拡げられてしまったのだ。繰り返すが、あまりに痛い。
〈前半〉主力選手の不在は感じさせなかったが……
紙一重の攻防だったのは間違いない。
9月の2試合より選手たちのコンディションは上がっており、試合に臨むメンタルも整っていた。久保建英、伊東純也、堂安律をケガや出場停止で欠いていたが、前半については彼らの不在を痛切に感じる場面はなかったと言っていい。
1トップの大迫勇也と2列目の南野拓実、鎌田大地、浅野拓磨は、守備にも奔走した。サウジが得意とする両サイドからのクロスに対しては、ゴール前に飛び込んでくる相手をフリーにしないことが徹底されていた。
サウジの守備をどのように攻略するのかについては、両サイドバックの背後がポイントだっただろう。右のスルタン・アルガンナムと左のヤシル・アルシャフラニは、マイボールの局面で揃って高い位置を取る。守から攻への切り替わりで彼らが攻め上がったスペースを使うことで、決定機を作り出すイメージは抱けた。
24分には冨安健洋のロングフィードから、浅野が右サイドを突く。ゴール前へのクロスを南野がヘディングで合わせたが、相手GKにセーブされる。前半は0対0で終了した。
20時キックオフでも蒸し暑さがしぶとく居座るなかで、日本は前半から守備面でハードワークをしていた。前2試合に比べて守備意識を格段にあげているサウジに対抗するには、ボール際での激しさや強度を維持しなければならない。もちろん、先制点がほしい。後半は選手交代がポイントになっていく。