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主軸を代え、配置と布陣を変える、それでダメなら監督を代える… W杯予選3戦2敗・日本代表がやるべき「3つ」のこと
posted2021/10/08 17:40
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
JFA/AFLO
3試合を終えて、勝ち点9を積み上げるはずが、たったの3――。
10月8日、グループ2位のサウジアラビアとのアウェーゲームは柴崎岳の痛恨のバックパスミスが失点を招き、日本は0−1で敗れた。
現在3位とはいえ、オマーンとの初戦に続いて早くも2敗目を喫し、カタールW杯アジア最終予選は想像しうる限り、最悪の序盤となった。
日本代表がここまで追い込まれたのは、“ジョホールバルの歓喜”で知られる1997年のフランスW杯アジア最終予選以来のことだ。
だが、これで日本代表のW杯出場が断たれたわけではない。
数字上はまだ十分に可能性が残っている。
今回と同じ6チームで「2+1枠」(本大会出場+プレーオフ出場)を争った前回のロシアW杯アジア最終予選では、1位の日本が6勝2分2敗だったのに対し、2位のサウジアラビアが6勝1分3敗と、3つの黒星を喫しているのだ。
プレーオフに回った3位のオーストラリアは5勝4分1敗と、1度しか土が付いていないが、4ドローで勝ち点8を失っている。
「この負けを経て、2位に入ればいいというマインドでいます」
キャプテンの吉田麻也が語ったように、グループ2位は十分狙うことができる。
むしろ怖いのは、必要以上に悲観し、追い込まれてプレッシャーに苛まれ、腰が引けたプレーに終始してしまうことだろう。2位狙いに気持ちを切り替え、心に余裕を取り戻して1試合1試合戦っていけばいい。
「これまで通り」はもう通用しない
ただし、選手のメンタリティはともかく、チームとしてはこれまで通りでいいわけではない。
「ベースの部分で方向性は間違っていないと思いますし、進んでいく段階でこれまでもマイナーチェンジというか、少しずつ修正を加えながら目標に向かっています。思い描く目標に向かっていくためのサッカーについては、間違っていないと思っています」
結果が出ないなかでアプローチを変える必要性について訊かれた森保一監督は、「これまで通り」を強調した。
しかし、チームのバイオリズム、流れ、運気といったものは極めて悪く、ドラスティックな変化を加えなければ好転しない。勝負事とは、そういうものだ。