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「クボは“内気な日本人”から逸脱してる」MF久保建英にインタビューした仏専門誌が驚き「10番が好きなんだ」「次は世界最高の1人に」アツい本音
posted2025/03/28 17:02

日本代表でもスペインでも存在感を放つ久保建英。昨夏、サッカーの権威的専門誌「フランス・フットボール」誌のインタビューに応じた
text by

田村修一Shuichi Tamura
photograph by
Kiichi Matsumoto
クボは“内気で謙虚な日本人”とはかけ離れている
フランス・フットボール誌による日本特集の第3回である。同号のフランスでの反響に、フランスフットボール誌編集長ヴァンサン・ガルシアは手応えを感じているのは以前お伝えした通り。「発売後に日本サッカーに対する見方がフランスで変わったか?」という質問には、彼はこう答えている。
「多少の効果はあったように思う。ヨーロッパでの日本人選手の評価は画一的だ。技術的には優れているが、性格的には謙虚で内気なイメージだ。高い技術と内気な性格のギャップが、われわれラテン系とは大きく異なっている。だがこの特集号では、久保建英のような人物を発見できた。若くして日本を離れた久保は、われわれヨーロッパ人が抱いている内気で謙虚な日本人のイメージとはかけ離れている。確固としたキャラクターを持ちしっかりと自己を主張する。ヨーロッパ人が日本に対して抱いているイメージから彼は逸脱している」
同誌の前半部のメインを飾るのが、久保建英の独占インタビューである。
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トム・ベルタン記者がスビエタ(レアル・ソシエダの練習場)まで出向いておこなった取材で、久保は普段はめったに明かすことのない本音を吐露している。ガルシア編集長にも強い印象を与えた、久保の日本人のイメージを逸脱した部分とは具体的に何であるのか。インタビューの要旨をここに掲載する。
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自分自身について久保はこう語っている。
「才能のある子供はどこにでもいる。大事なのは才能よりもチャンスをものにすることであり、多くの犠牲を払うことだ」と。
日本での子供時代を、彼は次のように振り返る。
「ほとんどの子供は友達と公園や映画に行くけど、僕はサッカーが大好きで、暇なときはいつもサッカーをして、うまくなろうとしていた。サッカー選手になるには膨大な時間がかかる。だから日本では、みなあまり熱心にはならない。日本は経済的に恵まれているから、人生の幸せを得るためにサッカー選手になる必要がない。勉強をすれば医者になれるし、誰もが望むものになることができる。僕だってサッカー選手になりたいと思う前は宇宙飛行士になることを夢見ていた」
10歳でマシア(FCバルセロナの育成アカデミー)に入り、生活は一変したが、環境への適応は早かった。