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「クボは“内気な日本人”から逸脱してる」MF久保建英にインタビューした仏専門誌が驚き「10番が好きなんだ」「次は世界最高の1人に」アツい本音
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田村修一Shuichi Tamura
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/03/28 17:02
日本代表でもスペインでも存在感を放つ久保建英。昨夏、サッカーの権威的専門誌「フランス・フットボール」誌のインタビューに応じた
「マシアは唯一無二の場所だ。育成はとても楽しかった。勉強とサッカー、サッカー、そして勉強……。日本に戻るまでそんな生活が続いた。いい思い出しか残っていない。言葉を覚えるのはちょっと手間取ったけど、スペインの文化にはすぐに慣れることができた。
ここは人と人との距離がすごく近く会話も濃密だ。日本とは全く違う。幸い僕はオープンな性格の子供だったから、人と話すのは好きだった。それにマンガがヨーロッパで人気があったから、マンガの話で盛り上がることができた。イナズマイレブンやキャプテン翼……。話のネタとしては最適だった」
周りの人は僕の決断を受け入れてくれた
むしろ2019年に日本復帰したときの方が、戸惑いを感じたと振り返る。
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「16歳でプロ選手としての第一歩を踏み出したが、日本の文化に馴染むのは難しく、特にサッカーに関してそうだった。周囲は僕を頼り信頼を寄せた。日本を離れるとき、FC東京はリーグ首位に立っていた。『なんて冷たいんだ。(リーグが終わる)半年後までどうして待てないんだ!』という声もあった。
ただ最終的に、周りの人々は僕の決断を受け入れてくれた。多くの人たちが僕の夢が叶うようにと勇気づけてくれた。彼らの声援がなかったら、僕は今、ここに居なかった」
移籍先はレアル・マドリー。練習場で18歳の若者の周囲を囲むのは、エデン・アザールやセルヒオ・ラモス、カリム・ベンゼマら世界的なスター選手たちだった。
「それまでは日本で日本人選手と一緒にプレーしていたのが、突然世界最高のクラブで練習するようになった。まったくの別世界で、すべてのセッションで、ボールを持つたびに失わないようにと、もの凄いプレッシャーがのしかかった。ただ、自分の力を証明しなければというのは、決して悪いプレッシャーではなかった。しかしEU以外の外国人枠(当時枠を占めていたのはエデル・ミリトンとビニシウス・ジュニオール、ロドリゴ・ゴエスの3人)があったから、レアルは僕をレンタルに出さざるをえなかった」
10番が好きなんだ
マジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェ、再びマジョルカとレンタル移籍を繰り返した後に、2022年夏にレアル・ソシエダへ完全移籍。数字的にも結果を出し(85試合で16得点、14アシスト)、中心選手としての地位を確立した。

