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「今回のW杯予選で最悪の出来。タナカとタカイは6.5点だが…」ブラジル人記者が辛口で日本代表サウジ戦評価&採点「クボはさすがに疲れが」
posted2025/03/29 17:10

スコアレスドローに終わったサウジアラビア戦。久保建英らの奮闘を認めながらブラジル人記者は辛口の評価だった
text by

沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Kiichi Matsumoto
「サムライブルーは、今回のアジア予選全体を通して最悪の出来。退屈な試合だった」
「そうなった責任は、サウジアラビアにもあったかって? もちろんだ。しかし、彼らは日本との力の差を考え、またアウェーゲームであり、選手たちがラマダン中であることも考慮して、徹頭徹尾、スコアレスドローを狙ってきた。それは彼らの判断だ。日本がいつものように序盤に先制しておけば、問題なく勝てた試合だった……」
日本のフットボール通で知られるチアゴ・ボンテンポ記者は、いつになく辛辣だった。冷静な口調の中に、静かな怒りが感じられた。サウジアラビア戦を振り返りつつ、現時点での北中米W杯26人を選ぶなら――というテーマで話してもらった。
クボに対するモリヤスの信頼を感じた
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――森保一監督は、バーレーン戦から先発メンバー6人を入れ替えました。
「故障した上田綺世と守田英正の代わりに前田大然と田中碧を、体調不良の三笘薫の代わりに中村敬斗を起用したのは予想通り。CBでは瀬古歩夢に代えて高井幸大を入れたのも頷けた。ただし、右ウイングバック(WB)に菅原由勢、右シャドーにバーレーン戦でフル出場した久保建英を先発させたのは意外だった。森保一監督の久保への信頼を感じた」
――序盤、日本は左WB中村がサイドを突破してチャンスを作る。9分、高井から田中へ縦パスが入り、田中からのスルーパスを受けた前田がGKと1対1となってシュートしたが、惜しくも右ポストに弾かれた。
「日本らしい攻撃で、前田のシュートも良かったんだけど、ちょっと運がなかった。2分後の中村からのグラウンダーのクロスも決定機だったけれど、前田がタイミングを合わせ損なった」
ザイオンはGKなのに手を使う必要がない試合だった
――その後も日本がボールを握り、サウジアラビアは全員が引いて守る展開。19分には前田が敵陣で相手CBのキックをブロックして奪い取り、ドリブルで独走。ところが、ゴール前でボールコントロールを失敗してしまい、最後は緩い左足シュートでGKに難なくキャッチされた。
「彼が自分で創り出したチャンスではあったんだけど、ボールを追い越してしまった。手痛いミスだった。その後はパスやトラップのミスが多く、サウジアラビアも次第に日本の攻撃に慣れてきた。22分にはサウジアラビアのロングボールに対してザイオン(GK鈴木彩艶)が飛び出してヘディングで逃れた。これはザイオンの好判断だった」