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「兄貴ごめん、蹴られへんかった」あの日から李承信が変わった…大学中退、22歳でラグビーW杯 “異色の近道”のウラに2人の恩人
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![キム・ミョンウ](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/f/4/-/img_f4e0d25483c84019d3cd1fc94fde2a0b13377.jpg)
キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph byKiichi Matsumoto
posted2023/09/26 17:03
![「兄貴ごめん、蹴られへんかった」あの日から李承信が変わった…大学中退、22歳でラグビーW杯 “異色の近道”のウラに2人の恩人<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/3/9/700/img_3935a8707d89d9e83b1801c2d7f37fa5184221.jpg)
練習後は居残り、キックを積み重ねてきたSO李承信。W杯で出番はやってくるか
そうして、ラグビーW杯は開幕を迎えた。大会前のテストマッチでは10番をつける機会が多かった承信。ここまで2戦を終えた本大会では共にメンバー外だったが、日本を代表する司令塔へと成長した弟の姿は、兄弟にとって誇りであることに変わりはない。
「僕は一番の理解者で、応援団。絆はかなり深いです。注目されているけれど、あまり気負ってラグビーはしてほしくない。楽しくやってくれたらいい。プレッシャーと思わず、楽にプレーしてほしいです」(兄・承紀記)
父・東慶さんは、フランスの地で息子の勇姿をしっかりと目に焼き付けたいと思っている。
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「ほんまに色んなことを背負ってここまで来ました。ラグビーを好きでやってきたから、思い存分に楽しんでほしい。夢に描いていた一番輝ける場所、表現できる場所でもありますから。それで家族も親族も一つになれる。承信の存在がたくさんの人にいい影響を与えてくれたらうれしいです」
最後に目を細めてこう話した。
「息子たちは妻が育てたというベースがある。だからここまで真っすぐに育って立派になった」
ゴールに向かって真っすぐに高く飛んでいくボールの一本の筋――それこそが、“李承信”のラグビーに対する生き様だ。母から継いだ信念を、W杯という最高の舞台で披露する準備は整っている。
李 承信(リ・スンシン)
2001年1月13日、兵庫県出身。176cm、85kg。ポジションはSO。4歳から兵庫県ラグビースクールで競技を始め、大阪朝鮮高では2年時に高校日本代表に選出され、3年時には花園も経験。進学した帝京大を中退し、2020年9月30日に神戸スティーラーズへ入団。同年に選出されたジュニア・ジャパンでは共同キャプテンを務めた。2022年6月25日のウルグアイ戦で初キャップ、日本代表キャップ10。
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