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「これはマズい」「もはや恐怖」おにぎり1個800円…ラグビーW杯、フランス現地記者がトラウマになった“おにぎり事件”「最後にパリで感動する話」
posted2023/09/25 17:10
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
Getty Images
●おにぎり事件 9月19日(火曜) マルセイユにて
波乱のニースを経験したわれわれ取材部隊は、この地を離れる朝、各々朝の海岸へと散歩に出かけていた(日中の行動は別々である。共にするのは移動時間と、ここフランスでは大切な食事の時間です)。
素晴らしい青空だ。おお、そしてなんと、9月中旬だというのに、泳いでいる人がいるではないか!
クラゲ、出ないんですか、みなさん? わが故郷・気仙沼では、「お盆のあどは、海さ行ぐもんでね」とたしなめられていた。
ニースの海岸が良いのなんのって、たいへんなものである。怨嗟の思いしかなかったニースだが、青い空、青い海を見た私は一気に機嫌を直してしまったのである。
ニース、いいね!
「フランスでおにぎりに出会えるとは!」
そして12時02分発、パリ・リヨン駅行きの列車に乗り込んだわれわれは、列車が定刻に発車したことに驚きを禁じ得なかった。フランスに来て、初めてのことである。
定刻。フランス語で覚えましょう。à temps。もう二度と使うことはないかもしれませんがね。