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「まず中小クラブ中田英寿・長友佑都型」「いきなり名門の久保建英・宇佐美貴史型」どっちがいい? “日本人ビッグクラブ移籍後実績”を調べた

posted2022/08/01 20:00

 
「まず中小クラブ中田英寿・長友佑都型」「いきなり名門の久保建英・宇佐美貴史型」どっちがいい? “日本人ビッグクラブ移籍後実績”を調べた<Number Web> photograph by Sports Graphic Number(L,C)/Getty Images

長友佑都、中田英寿、久保建英。それぞれの移籍ステップアップを見てみると……?

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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Sports Graphic Number(L,C)/Getty Images

欧州サッカーの22-23シーズン開幕を前に、多くの日本人プレーヤーが新天地を求めた。各国リーグでのステップアップは多様化しているが、ビッグクラブ挑戦へのメリットとデメリットは何なのか。フットボール王国ブラジルと比較しつつ調査してみた(全3回/#2#3も)

 2019年6月にFC東京から“白い巨人”レアル・マドリーへ移籍した久保建英(21)が、3シーズンの間、スペインリーグの他クラブへの期限付き移籍を繰り返した後、中堅クラブであるレアル・ソシエダへ推定移籍金650万ユーロ(約9億円)で移籍した。

久保がマドリーでプレーする可能性は潰えていない

 9歳にして名門バルセロナのアカデミーに加わり、将来はトップチームでプレーすることを夢見た。しかし、18歳未満の外国人選手はアカデミーであっても試合に出場できなくなり、14歳になる直前の2015年3月に帰国。FC東京のアカデミーに入り、2016年11月、FC東京U-23(当時J3所属)で、15歳5カ月1日で出場してJリーグ史上最年少出場記録を塗り替えた。2017年11月、16歳5カ月でプロ契約を結び、2018年後半の横浜F・マリノスへの期限付き移籍を経て、レアル・マドリーへ移籍した。

 それとほぼ同じ時期、18歳2カ月で代表でもデビューし、日本ではしばしば「天才」と呼ばれてきた逸材。だが、その彼をもってしても、栄光に包まれた純白のユニフォームをまとって公式戦のピッチに立つことはできなかった。

 レアル・ソシエダとの契約内容に関して「5年間の契約期間中はレアル・マドリーに優先購入権がある(他クラブが獲得を希望した場合、本人の同意があれば同条件で買い戻せる)」と報じられている。これが事実なら、将来、レアル・マドリーでプレーする可能性が潰えたわけではない。

 しかし当面、久保はレアル・マドリーのことは忘れ、“もう一つのレアル”(かつてスペイン王室の庇護を受けた経緯があり、地元では「ラ・レアル」と呼ばれる)の勝利に貢献し、自らも成長することだけを考えるべきだろう。

メガクラブ移籍か、それとも中小クラブか

 ここで、1つの疑問が湧く。

 3年前、Jリーグのクラブからいきなり世界のトップ・オブ・トップのクラブへ移籍したことが、彼にとって最良の選択だったのか。まず欧州の中小クラブへ移籍し、そこで経験と実績を積んでステップアップを目指す方が良かったのではないか――。

 それを検証するために過去、久保以外に日本から欧州ビッグクラブへ直接入団した選手のケースを確認してみた。該当するのは、以下の6選手である(カッコ内は現在の年齢)。

【次ページ】 プラチナ世代で期待された宇佐美、宮市だが

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