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PSG→バルサのロナウジーニョやミラン直行のカカは成功、大失敗は“自宅放火した超逸材DF”…ブラジル人移籍明暗〈久保建英のライバルは?〉

posted2022/08/01 20:01

 
PSG→バルサのロナウジーニョやミラン直行のカカは成功、大失敗は“自宅放火した超逸材DF”…ブラジル人移籍明暗〈久保建英のライバルは?〉<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

バルサ時代のロナウジーニョとミラン時代のカカ。それぞれ欧州でステップアップした

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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Takuya Sugiyama

欧州サッカーの22-23シーズン開幕を前に、多くの日本人プレーヤーが新天地を求めた。各国リーグでのステップアップは多様化しているが、ビッグクラブ挑戦へのメリットとデメリットは何なのか。フットボール王国ブラジルと比較しつつ調査。代理人にも話を聞いた(全3回/#1#3も)

 これまで日本から欧州ビッグクラブへ入団した選手は13人。これに対し、欧州ビッグクラブに在籍したブラジル人選手の総数は延べ181人にのぼる(複数クラブでプレーした選手を重複してカウント)。日本人選手の約14倍である。11のビッグクラブに在籍した際の彼らの成績を、4段階で評価してみた(資料2を参照)。

 欧州中小クラブを経由した選手が全体の59%を占めるのだが、「大成功」した選手の67%、「成功」した選手の71%がこのルートを辿っていた。「成功」以上の結果を収めるための確率を示す“成功率”は、「中小クラブ経由」が65%で「ビッグクラブ直行」が48%。中小クラブを経由した場合、“成功率”が35%高まる(65%÷48%≒1.35)。

 たとえば、フットボール史上に残るストライカーであるロマーリオとロナウドは、揃ってブラジルのクラブからPSV(オランダ)を経てバルセロナへとステップアップ。そこで大ブレイクして世界的なスターとなった。ロナウジーニョも、出身クラブからパリ・サンジェルマン(PSG)を経てバルセロナへ入団した。

 世界のフットボール史上最多となる41ものタイトルを獲得した右SBダニエウ・アウベスも、出身クラブであるバイアからまずセビージャ(スぺイン)へ移籍し、そこで6季に渡って超攻撃的SBとしてリーグを席巻したことで名門中の名門バルセロナへ迎え入れられた。

インテリジェンスあふれるカカはミランで成功

 ブラジルから欧州ビッグクラブへ直行した選手の中にも、数は少ないがすぐに戦力となることができた選手もいる。

 MFカカは2001年、18歳でサンパウロのトップチームに昇格し、2年半プレーした(125試合に出場して47得点)。2002年、ブラジル代表に招集され、この年のワールドカップ(W杯)に1試合だけ途中出場(チームは優勝)。2003年、21歳でACミランへ移籍した。このときの推定移籍金は850万ユーロ(約11億8000万円)とブラジル人の将来有望な若手としては割安だった。当時はその程度の評価だったからであり、ブラジルメディアの多くが「当分はポルトガル代表MFルイ・コスタの控えだろう」と予想していた。

 ところが、すぐにレギュラーポジションを獲得し、やがてチームの攻撃の主力に。2006-07シーズンの欧州チャンピオンズリーグ(CL)で10点を叩き込んで得点王に輝き、優勝の立役者となった。選手としての能力もさることながら、類まれなインテリジェンスと適応力の賜物だろう。

ネイマールはすでにサントスで5年のキャリア

 ネイマールも、2013年、やはり21歳でサントスからバルセロナへ移籍すると、すぐに中心選手の1人となった。

【次ページ】 ビニシウスはもともとフィジカルが弱かったが

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