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「まず中小クラブ中田英寿・長友佑都型」「いきなり名門の久保建英・宇佐美貴史型」どっちがいい? “日本人ビッグクラブ移籍後実績”を調べた 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph bySports Graphic Number(L,C)/Getty Images

posted2022/08/01 20:00

「まず中小クラブ中田英寿・長友佑都型」「いきなり名門の久保建英・宇佐美貴史型」どっちがいい? “日本人ビッグクラブ移籍後実績”を調べた<Number Web> photograph by Sports Graphic Number(L,C)/Getty Images

長友佑都、中田英寿、久保建英。それぞれの移籍ステップアップを見てみると……?

<板倉滉(25):川崎フロンターレ→2019~22年マンチェスター・シティ(0試合0得点)>
 川崎Fのアカデミー育ちで、2016年8月、19歳でトップチームで初出場。ベガルタ仙台への期限付き移籍を経て、2019年1月、22歳になる直前にシティへ完全移籍(推定移籍金は110万ユーロ=約1億5000万円)する。

 しかし、すぐにオランダのクラブへ期限付き移籍。2019-20年から2季、レギュラーとして活躍。2019年5月、日本代表に初招集され、2022年ワールドカップアジア最終予選で活躍した。今年7月、ドイツの古豪ボルシアMGへ完全移籍(推定移籍金は500万ユーロ=約6億9000万円)。日本代表では12試合に出場して1得点で、今年のカタールW杯出場を狙う。

<FW食野亮太郎(24):ガンバ大阪→2019~22年マンチェスター・シティ(0試合0得点)>
 ガンバ大阪のアカデミー育ち。2018年4月、19歳でトップチームで初出場。2季プレーし、34試合に出場して6得点を挙げた。

 2019年8月、21歳でシティへ完全移籍(推定移籍金は100万ユーロ=約1億4000万円)したが、すぐにスコットランドのクラブへ9カ月間の期限付き移籍(22試合に出場して3得点)。その後、ポルトガルの複数のクラブへ期限付き移籍したが、2季で計31試合に出場して5得点。今年7月、ガンバ大阪へ復帰した。日本代表への招集歴はない。

板倉と久保は期限付き移籍先で出場機会を得た

 久保を含む7人のうち、移籍直後のシーズンに公式戦に出場したのは稲本と宇佐美だけ。他の5人はすぐに期限付き移籍へ出され、その後、宮市だけが復帰した。しかし、この3人にしてもクラブにとって重要な戦力となることはできなかった。浅野、久保、板倉、食野は、欧州ビッグクラブへ入団しながらもプレーできないまま退団している。

 とはいえ、板倉は期限付き移籍したクラブで活躍したからこそ、ドイツ中堅クラブへ移籍できた。市場価格も、シティへ入団した時点の70万ユーロ(約9000万円)から500万ユーロ(約6億9000万円)へ上がっている。

 久保もスペインの中堅クラブに迎え入れられた。市場価格は、レアル・マドリーへ入団した時点が200万ユーロ(約2億8000万円)で、2020年には3000万ユーロ(約41億6000万円)まで高騰したが、現在は750万ユーロ(約10億4000万円)。とはいえ出場試合は増やしており、この3年間は決して無駄ではなかった。

では中田、長友、香川、冨安らはどんな感じ?

 それでは過去、日本から欧州中小クラブを経て欧州ビッグクラブに入団した選手はどうだったか。該当するのは、以下の6人である。

【次ページ】 最大の成功例を挙げるとすると……

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