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鎌田大地と堂安律は「4-3-3」にフィットするのか? 中村憲剛に聞く日本代表の“最新序列”「W杯の23人は30人強から選ばれる」
posted2022/05/25 17:03
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph by
Takuya Sugiyama/JMPA
W杯出場決定後初の活動となる6月のテストマッチに、森保一監督は28人の選手を招集した。チームは6月2日にパラグアイ、6日にブラジル、10日にガーナ、14日にチリまたはチュニジアと対戦する。ブラジル、ガーナ、チュニジアはW杯出場を決めている国だ。
W杯のメンバー発表前の活動は、今回と9月の2回に限られる。残された時間は、意外なほど少ない。
このタイミングで選手に、チームに求められるものは何か。元日本代表で2010年南アフリカW杯に出場した中村憲剛氏に聞く。
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メンバーリストを見た第一印象は、「初招集がひとりにもかかわらず、見どころが多いな」というものでした。5月20日の発表を前に、一部のメディアで「この選手を呼んでほしい」といった記事を見ましたが、タレントはすでに十分過ぎるぐらいに揃っています。最終予選を通して若い世代が入ってきたことで激しい競争が繰り広げられており、率直に言ってこのタイミングで新しい選手が割って入るのはなかなか難しいのかな、と感じます。
残された時間の問題もあります。6月シリーズの4試合と9月の2試合の合計6試合で、カタールW杯に臨まなければなりません。9月の2試合は直前のテストマッチですから、より本番を想定したメンバーで戦うと考えられます。「新しい選手を呼んでほしい」といった意見があるかもしれませんが、今後のスケジュールを考えると、テストをする機会と新戦力を戦力としてフィットさせる機会が十分ではありません。
それならば、「どうしてここまでの活動で呼ばなかったのか」という意見があるかもしれません。しかし、コロナ禍の影響でこれまでのW杯予選のように親善試合を組む時間を設けることが出来ず、集まってすぐに本番に臨むレギュレーションとなりました。緊迫感のあるひとつも落とせない試合の連続では、新戦力を試したくてもなかなか試せない事情があったと思います。
予選を突破した既存のメンバーでタレントは揃っている、そして準備期間がいつになく限られていることを踏まえ、森保監督はチームの熟成に軸足を置いているのでは。そうした狙いがうかがえるメンバー構成だと思います。