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鎌田大地と堂安律は「4-3-3」にフィットするのか? 中村憲剛に聞く日本代表の“最新序列”「W杯の23人は30人強から選ばれる」
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph byTakuya Sugiyama/JMPA
posted2022/05/25 17:03
所属クラブで結果を残し、日本代表に復帰した鎌田大地と堂安律。「4-3-3」が定着する中で、それぞれどのような起用法が考えられるのか
大迫勇也が不在の最前線、注目すべきポイントは?
これまで中心的な役割を担ってきた大迫勇也が、今回はメンバー外となっています。森保監督は以前から、コンディションが万全でない選手の招集に慎重です。大迫についても、「100パーセントに戻してほしい」と話していましたが、所属するヴィッセル神戸では直近のJ1リーグ戦に出場していません。招集に踏み切れる状態にはない、と判断したのでしょう。
同時に、森保監督にとっての大迫は、「何ができるか分かっている選手」です。無理をさせる必要はありません。
むしろ、大迫不在時のオプションを作るならこのタイミングでしょう。彼の不在を機に、これまで出場機会の少なかった選手、日本代表からしばらく遠ざかっていた選手を起用し、戦い方の幅を広げる4試合になると思います。
最前線での起用が予想されるのは、上田綺世、浅野拓磨、古橋亨梧、前田大然の4人です。世界との戦いでは、スピードがより大事になります。ドイツにもスペインにもカウンターは効くと思いますので、浅野、古橋、前田らスピードが武器の選手たちの使い方は整理しておきたいところです。
崩しの局面でパスの出し手と彼ら受け手との呼吸を合わせるためには、本来ならもう少し時間がほしいところです。タイミングをすり合わせる機会が限られているだけに、今回の4試合を有効に活用する必要があるでしょう。
EL制覇・鎌田大地の復帰は「非常に楽しみ」
鎌田大地と堂安律の「復帰」も、今回のトピックにあげられます。鎌田は昨年11月以来、堂安は今年1月以来の招集となります。
フランクフルトのヨーロッパリーグ制覇に貢献した鎌田ですが、「シーズン開幕前は、クラブに残るつもりはなかった」というコメントを残しています。その当時は移籍の可能性を探っていたわけで、カタールW杯アジア最終予選が開幕した昨年9月は、色々な意味で整っていなかったのだと想像します。
しかし、そこから腰を据えてフランクフルトで戦い、EL制覇の一員となった。最終予選序盤とは違うテンションやコンディションで、今回の日本代表の活動に臨めるはずです。個人的には非常に楽しみな選手のひとりです。